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SPEEDの新垣仁絵(Hitoe)さん電撃結婚!&インタビュー第二弾!

No Music, No Life

No Music, No Life

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SPEEDの新垣仁絵さん電撃結婚!

いつもハーレム2ニッポンを応援してくれている仁絵さんが入籍されました。おめでとうございます。

前回のインタビューの続編、おそくなりましたがレポートいたします。

日本ヒップホップ・ネイション
Miss Hitoe from SPEED – 3

スピードのメンバー、
仁絵
(Hitoe)さん Interview Part 2

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<憧れのニューヨーク移住>

H2N:          ニューヨークには2000年にスピードを解散してから2年ほど住んでいたそうですが、その間、どんな人で出会い、何を目標に生活していたのか教えて下さい。

Hitoe:                  終わりは、始まり!と気持ちを切り替え、やりたいことをやろうと思いました。今までやりたくても出来なかったこと、憧れのNYで大好きなARTの勉強をしたり、語学、ダンス、歌の基礎を学び自分磨きをすることができました。ブラック・カルチャーが大好きだったので、勉学の合間にハーレムに行ったり、ライヴを観たり、踊りに行ったり、ブレイズをしに行ったり…….、普通の生活が送れたことがとても嬉しかったですね。今までの夢が実現したという感じです。その最初の2年は、私にとってはゼロからスタートでした。SPEEDというより、新垣仁絵Arakaki Hitoeというひとりの人間として生きたいという思いでいっぱいでした。自分の将来がどうなっていくのだろうと思い悩みました。きっと、自分探しをしてたのだと思います。

人生を変えるような大きな出会いがいくつもありました。ダンスもそのひとつでした。普通にクラスを取った事がない私には、一つ一つが新鮮で、多くを学びました。特別に個人レッスンを受けるのではなく、他のひとたちと同じように普通のクラスで踊りたいという夢が叶いました。私の好きな先生は、今でもバリバリのB-girl、Hip-Hop ダンサーでコリオグラファーとして活躍している Anita “ROKAFELLA”Garcia 。今は、歌手もしてるらしいです。確か夫婦で教えていて、旦那さんもヒップホップ・ダンサーでしたね。B-girlの友達が出来きて、熱く語り合ったり、生のヒップホップというものを肌で感じることができました。

Hitoe Arakaki

経験したことのないジャンルに挑戦したり、自分磨きと経験を積むことができたと思います。まだ若かったし、辛いことも、楽しいことも、きっとそれなりに意味があったのだと思います。私にとってニューヨークで暮らすという選択は正しかったと思うし、とてもいい経験になりました。

H2N:          その頃のヒップホップ・ダンス・シーンで印象深いことがあれば教えて下さい。

Hitoe:                  ヒップホップ・ダンスシーンで感じたのは、その時代の流行をうまく取り入れたりする面白さですね。当時、沖縄で学んでた頃はまだヒップホップが認知されず、その土壌がまだ整っていなかったと思います。ダンスもJAZZが主流でした。どうにかしてこのヒップホップ・スタイルを伝えたいと思いましたね。ダンスについては、私なんか、まだまだ知識は浅いのですが、とにかく経験することが一番、いいパフォーマンスにつながると思います。

「Hip-Hopは、自分がどのように生きてきたかを表現すること」とマークエスト(Marquest)というダンサーの言葉に私も同感です。私自身、いきなりメジャー・デビューして、下積み経験があまりないことに悩んだ時期もありましたが、ブラック・ミュージックやヒップホップの影響をうけて、それをパフォーマンスに取り入れることができたことはありがたく思います。

今や日本はもの凄いダンス・ブーム。キッズ達のダンス・レベルもあがっているし、ヒップホップがここまで広まったなんて…….感慨深いです(笑)。私もきっと死ぬまでヒップホップ・ファンでい続けると思うし、ずっと踊り続けたいと思います。必ず時代は巡ってきます。音楽も踊りもオールドスクール/クラシックは学んでて損はしないと思いますよ。そこから、自分のスタイルを生み出せばいいし、すべてにおいて「ルーツがあっての今」だと思います。

H2N: 絵画も好きで本格的に勉強し、個展まで開いたことがあるそうですが、好きなアーティスト、ペンターは誰ですか。(ご自分のブログでブルックリン・ミュージアムのキース・ヘィリング展に行った時のことを書いていらっしゃいましたが……。)

Painted by Hitoe

Painted by Hitoe

Hitoe:                  絵は、学校も行かずに自己流でやってきました。特別に好きなペインターがいるという訳ではないですが、バスキアとか、キース・ヘィリングとか、ウォーホールなどの時代は好きですね。独特な色彩、表現、メッセージ性があるのも好きです。バスキアは、私とはまったく違う表現方法なので無い物ねだりで憧れます。基本的に描くより、色塗りが大好きというより、得意ですね。私自身、人物画が多いのですが、幼い頃から、絵を描いてると夢が実現したように嬉しい気持ちになることを知り、絵ではすぐに叶えられるんだ!って、そして人を喜ばす事ができるのが嬉しくて描きつづけています。また、もう一人の自分を表現できる方法なので、絵を描く事はパフォーマンスと違って、創作的な事、生み出してることなので好きですね。私の場合、絵を描く時は音楽が必要不可欠なんです。ぜったいブラック・ミュージックですね。音楽からインスパイヤされたりしますから。

H2N:          現在のスピードのグループ活動やソロ活動などについて教えて下さい。

Hitoe:                  SPEEDが再結成してから初のニュー・アルバム「4 colors」を昨年の11月14日に発売しまた。再結成後の全シングル、新曲も沢山入ってるのでぜひ聞いてほしいです。さらに今年、3月13日にミュージック・ビデオと秘蔵のオフショットを集めたPVこDVD(ブルーレイ)「SPEED – Sonic Groove Clips」をリリースしましたので是非この機会にチェックしてみて下さい。10代の SPEED のイメージがどうしても強いらしく、私が30代だと知って驚く方がとても多いんです(笑)。ありがたいですが!今後は、ソロ活動にフォーカスできる時間が持てるので、色々と学びながら幅をさらに広げていきたいですね。

教える事が好きで、それで大好きなYOGAを教えたりしてます。ダンスもゆくゆくは、楽しむ事を基本に教えたり、世代を超えて伝えていけたらいいと思ってます。女性としても色々と経験も積んでいきたいです。色々と経験する事でやっぱり表現力に磨きがかかると思うので!

大人になればなるほど色々な興味がわいてきて、色々とチャレンジしてみたいと夢が膨らみます。ハーレムで個展したりとか!いつかやりたいです(笑)。本も出版したいと思います!信じ続け、努力をすればどんな夢でも叶えられると思います。

ずっと夢だった、「TLCとステージでいつか踊ること」が叶ったのが何よりも嬉しいです。去年、「ビルボード・ライブ」にチリとT-Bozの来日公演を観に行った時、私がブレイズだったから目立ったからかもしれないけどステージに呼ばれて、一緒に踊った時には感激のあまり涙と震えが止まりませんでした。また、頑張ろうって思えた瞬間でした。

NYを語ると恋人を思う気持ちになりますね(笑)。やっぱり一番好きな街です。街を歩いてて、自然とbeatを感じられるってのはなかなかないですね、あと必ず刺激をもらいます。そして、前向きさが伝わる。いい意味で多様多種な文化が入り交じり、こんな面白い街はないですね、きっと。人生って自分次第でなんだって出来るんだぁ、って勇気が湧いてくる街。出会いを大事にし、経験を積んで、色々な分野で私らしい表現をこれからもしていきたいと思います。

(新垣仁絵)

H2N:         どうもありがとうございました。そして、ご結婚おめでとうございます。

SPEED Sonic Groove Clips 2013.03.13 on sale に関する情報はこちら。

http://www.avex.jp/speed/news.html#130215

(聞き手:伊藤弥住子)

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DJジューン&クリントン・スパークス日本制覇!DJ June Invades Nippon with American Super DJ Clinton Sparks!

DJ Clinton Sparks & DJ JuneREAD IN ENGLISH

DJジューン&クリントン・スパークス 日本制覇!
DJ June Invades Nippon with American Super DJ Clinton Sparks!

ハーレム2ニッポンでも紹介してきましたが、DJジューンの仲間、クリントン・スパークスがとうとうニッポンを制覇しました。全米はもちろん、ロンドン、パリ、ミラノ、デュバイ、シンガポール、香港、上海、台北、マニラなど各都市でパーティーを盛り上げてきたクリントン、実は東京でプレイするのはこれが初めてだそうです。

Dance Floor 3 - @ Genius Tokyo

場所はお洒落な銀座にあるマルチ・フロアを誇る大バコ「ジニアスTokyo」、スーパー・スター・ウェンズデーというスペシャル・パーティーの特別ゲストに招かれました。海外からDJを招聘するのはこれが初めてとあってクラブ側も万全を尽くしてのイベントです。あいにく、午後から大雨で夕方には土砂降りというクラブにとっては最悪な条件となってしまい、関係者はみんな不安な面持ちで見守っていたようです。ところが開場の7時前からお客さんが続々と駆けつけ、平日ではあり得ないほどの大盛況となりました。

Dance Floor 2 - @ Genius Tokyo - June

DJジューン、ニューヨークの夜を演出

もちろん、DJジューンとのコラボです。まずはジューンがNYクラブ・スタイルのオール・ジャンル選曲でウォーム・アップ。ここはデキるビジネス・ウーマンが集まることで有名らしく、キャリア志向でなおかつファッショナブルな女性たちがいっぱい。女の子たちを踊らすのが得意なジューン、ノリのいいR&Bやヒップホップ、エレクトロなどをスムーズに繋げて女子向けの演出をします。狙いはばっちり、ダンス・フロアは音楽に敏感なキャリア・ウーマンたちで埋め尽くされました。

DJ Booth 1 - @ Genius Tokyo

一息いれたところでメイン・ゲスト、DJクリントン・スパークスの登場です。東京の某高級ヘア・サロンでヘアカットしたクリントン。ハイ・クウォリティーなのに15、000円という安さ(?)にビックリしたとか……..。ふだんはハリウッドやロンドンなどのハイエンドなサロンで4〜500ドル(約4〜5万円)払っているので日本の価格が安く感じるらしいのです。それも、プロモーターのコネで50%ディスカウントしてもらったから自己負担は7、500円。「ニッポン最高!」とご満悦です。

DJ Clinton Sparks @ Genius Tokyo

DJ Clinton Sparks オリジナル・メガネ配布!

クラブ「ジニアス・トーキョー」のDJブースは機材も最新式、とても仕事がしやすい、と大はしゃぎ。いきなりブースのテーブルの上に立ち上がってマイクを握って歌ったりラップしたり踊ったり……。プロモ・グッズにも力を入れ、自分の名前入りのオリジナル・メガネを配ったり、これまでのDJは裏方というイメージをすっかり覆して、「スーパー・スター、DJクリントン・スパークス」をアピールしました。オーディエンスのあいだでも、「彼はDJというよりパフォーマーですね。とても楽しい!」と大好評でした。

Go Go Girls 2 - @ Genius Tokyo

この夏、メジャー・レーベルからミックスCD のリリースが決まり超多忙。仲良しのラッパー、リック・ロスやエレクトロの大スター、Macklemore とのコラボ曲も収録することになっています。「ジニアス・トーキョー」でのプレイでもそんな仲間たちの曲をミックスしてパーティーを盛り上げてくれました。昨年にリリースした本人プロデュース曲「Watch You」はアメリカでも大ブレイクしましたが、銀座のクラブ「ジニアス・トーキョー」でかけたところ大反響、フロアが狂喜したそうです。「こんなに反応してくれると思わなかった。凄く嬉しい!トーキョー大好き!」と大興奮のクリントンでした。

5日間の滞在ですっかりニッポン・ファンになったクリントンですが、トーキョーの女の子たちのファッションに強烈な印象を受けたそうです。「特に色使いが上手だと思う。意外な色の組み合わせなんだけど、それがうまく調和している。たとえばイエローのソックスにブルーのスカートを合わせて、ピンクのトップとか…….。アメリカの女の子たちではあり得ないファッションだね。ニッポンの女の子たちはすごくクリエィティヴで感心した。すごく可愛い。サイコー!」と手放しで大絶賛。

「ニッポン、ベスト、I’ll be back!」、また来るという言葉を残してアメリカに帰っていきました。

(伊藤弥住子)

チャック・ジャクソン近況報告:Special Report “ママ・アイ・ウォント・トゥ・シング/Mama, I Want To Sing” 30周年記念ガラ祝賀イベント#2

Chuck Jackson2

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ブラック・ミュージカル、Mama, I Want To Sing
30
周年記念ガラ祝賀イベントReport #2
チャック・ジャクソン近況報告

1962年に「Any Day Now」という大ヒットをだして一躍人気R&Bスターの座を獲得したチャック・ジャクソンも来ていて大感激。お話をする機会があったのでミニ・インタビューを試みました。

H2N:                  ミスター・チャック・ジャクソン、お元気そうですね。現在はどこを拠点に活動しているのですか。

Chuck:         あちこちに行っています。ちょうどデトロイトでショーをやってNYに戻ってきたところです。

H2N:                  チャックさんといえば、80年代ニューヨークにあったライヴ・ハウス、「スウィートウォーターズ」によく出演されていましたね。あそこは有名人がよく来ることで知られていて、ボクシング界のチャンピョン、マイク・タイソンが遊びに来ていた時がありました。当時、マイクとフィアンセのロビン・ギブンスは熱々のカップルでマスコミでよく取り上げられていました。その晩、彼女が遅れてきて、マイクがイライラしていて店内に緊張感がみなぎっていたのをよく覚えています。

Chuck Jackson

Chuck Jackson

Chuck:         そうそう。わたしもあの時のことはよく覚えています。その後、ロビン・ギブンスは有名な女優になってしまいましたからね。

H2N:                  今はニューヨークにいらしていますが、もう「モータウン・ザ・ミュージカル」をご覧になりましたか。(チャックは一時、モータウン・レコードに在籍していたことがあります。)

Chuck:         いや、まだです。確か本公演は4月からだったと思います。(4/14より開催。)夕べもスモーキー・ロビンソンと電話で話したところです。是非、観に来て欲しいと言ってくれているので近いうちに実現すると思います。わたしもモータウンにいた時期があるので、どんなショーが展開されるか楽しみです。

H2N:                  チャックさんは60年代からずっと活躍していますが、最近でも新しい作品を発表していますか。

Chuck:         今、アルバムを制作中です。最初にデビューした時のレーベル(Wand 1976年に売却され現在は別名のレーベル) とまた契約しました。スモーキーも曲を提供してくれています。他にも、Hal David/Burt Bacharach、Jerry Leiber/Mike Stollerたちとのコラボが決まっています。

H2N:                  ということは、クラシックな「チャック・ジャクソン」が期待できるということですか。

Chuck Jackson

Chuck:         その通り。レコード会社から、今風なサウンドを意識せず好きなように制作して欲しいと頼まれました。わたしのバンドには日本人のシンガーがふたりいて、もう16、7年一緒にやっています。素晴らしいR&Bアルバムをお届けできると思います。詳しいことはわたしのウェブサイトを見て下さい。

www.chuckjackson.org

H2N:                  日本にも来てくれますか。

Chuck:         もちろん。日程はまだわかりませんが、確か日本でのライヴの話がきていたと思います。あちこち回って、日本のみなさんにも本物のR&Bを体験していただきたいですね。

H2N:                  それは嬉しいですね。楽しみにしています。ありがとうございます。

Special Report “ママ・アイ・ウォント・トゥ・シング/Mama, I Want To Sing” 30周年記念ガラ祝賀イベント

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Dionne Warwick, CIssy Houston, Vy Higginson

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ブラック・ミュージカル、Mama, I Want To Sing

30周年記念ガラ祝賀イベントReport

ゴスペル音楽をテーマにしたハーレムのオフ・ブロードウェイ・ミュージカル、「ママ、アイ・ワント・トゥ・シング」が初演の1983年より30周年を迎え、3月23日、スペシャル・ガラ・イベントを開催しました。

まずはレッド・カーペットにて、報道陣のための撮影会が行われました。主宰者のヴァイ・ヒギンセンからゲストとして招かれたホィットニー・ヒューストンの母親、シシー・ヒューストンディオンヌ・ワーウィック、ヴァレリー・シンプソン、アンジー・ストーン、チャック・ジャクソンなどのゴスペル出身アーティストが続々駆けつけてくれました。ハーレムの有力者、政治家のチャールズ・ランゲル、次期NY市長選に出馬するジョン・ルー、NY市議会議員アイネス・ディッキンス女史なども姿を見せ、ハーレム・コミュニティーの連帯をアピールしました。

なぜか、ヒップホップ世代の代表、元ロッカフェラでジェイZのパートナーだったディモン・ダッシュの姿も….。

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Gospel For Teens

メディア取材のあとはショー・タイム。この日はいつものショーではなく、「ママ、アイ・ワント・トゥ・シング」「シング、ハーレム・シング」の2本のミュージカル短縮バージョンを上演するという、この日のために特別に趣向を凝らしたパフォーマンスが繰り広げられました。いずれのミュージカルもクワィアーのシーンは「ママ・ファウンデーション」のプログラムのひとつ、ゴスペル・フォー・ティーンズのメンバーたちが参加しています。

ゴスペル・フォー・ティーンズのパフォーマンスのフィナーレではヴァイの音頭でゲストがみんなステージにあがって大合唱。 楽曲は誰もが知っているゴスペル曲 This Little Light Of Mine。アンジー・ストーン、シシー・ヒューストン、ヴァレリー・シンプソン、そしてトリはデォオンヌ・ワーウィックが飾りました。リハーサルなしでみごとに歌い上げるあたり、やはり即興で鍛えられたゴスペル出身の実力派の強味と言えます。

ハーレム2ニッポンではヴァイ・ヒギンセンの運営する非営利団体、「ママ・ファウンデーション」プロジェクトをずっと支持してきました。ブラック・コミュニティー発展のために多大な貢献をしているのと、私たち日本人にとっても素晴らしいカルチャーに接する機会を与えてくれたからです。ショーを構成する若いクワィアー・メンバーたちのソウル炸裂は衝撃的です。アメリカで最もロングランを続けているゴスペル・ミュージカル、「ママ・アイ・ワント・トゥ・シング」をまだ観ていない人はこの春公演を是非体験してほしいと思います。

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Valerie Simpson, Cissy Houston, Dionne Warwick singing together on stage

誕生までの軌跡

ショーのプロデューサー、ヴァイ・ヒギンセンは、父が牧師、母も父の教会の手伝いをしていたという信心深い家庭環境に育ちました。ゴスペル出身でポップの世界で大スターになった年の離れた姉、ドリス・トロイはヴァイの羨望の的でした。ドリスの物語を作ろう、ヴァイはゴスペル音楽をミュージカル仕立てにしたショーをプロデュースすることを思い立ちました。1979年のことです。当時つき合っていたKen Wydro(現在のご主人)と脚本を考え、ブロードウェイ・ミュージカルとして制作/公演をしてくれるところを片っ端からあたりました。ヴァイのビジョンを理解してくれる人は残念ながらいませんでした。

ヴァイはニューヨークのメジャー・ラジオ局でディスク・ジョッキ−をしていました。黒人女性としては初の抜擢でした。夫となったケンとヴァイのふたりの貯蓄をはたいて「ママ,アイ・ワント・トゥ・シング」の幕を開けたのは1983年3月25日、イースト・ハーレムにあるヘクシャー・シアターでした。ジョー・パップのニュー・ヨーク・シェイクスピア祭りで使われたのが最後で15年ほど廃墟状態、ドアのロックを開けた瞬間、たまっていたホコリが落ちて来る、そんな劇場でした。座席数は632、「ここを地元のお年寄りや教会のメンバー、子供達、働く母親や父親たちでいっぱいに埋め尽くそう!きっと実現できる。」ヴァイには観客で満席の劇場が目に浮かびました。ほとんど宣伝費もかけず口コミに頼るだけでしたが、その評判はすぐに広まり、定期公演できるまでに成長したのです。

MAMA30_wydrofamily

Vy Hgginson, Knoelle Higgison-Wydro, Ken Wydro

30年の間には世界各地をまわり公演をしました。ゴスペルを知らなかった人たちにもこのミュージカルを通して伝えることができたのは貴重な体験でした。

ミュージカル公演だけでなく、出演者も育てていこうと思いつき、1998年に非営利団体「ママ・ファウンデーション」をたちあげました。2006年にはハーレムのティーン男女対象にゴスペル指導クラス「ゴスペル・フォー・ティーンズ」無料プログラムを導入、実力のあるメンバーをアフリカン・アメリカン・ミュージカルにどんどん登用していこうというものです。地域の活性化にもつながり、若者の非行を防ぐというダブル効果を生み出したヴァイの活動にCBSテレビが着目、「60ミニッツ」で取り上げ、彼女の貢献は全米で知られるようになりました。その結果、献金も集まり、NY市議会でもアイネス・ディッキンスの働きかけで「ママ・ファウンデーション」に助成金が出ることが決まりました。

→レポートは次回に続きます

(伊藤弥住子)

「ママ、アイ・ワント・トゥ・シング」の春の公演は3/16より5/11まで、毎週土曜日5時開演。チケットは35ドル。「ママ….」のオフ・シュートと いえる、ミュージカル、「シング,ハーレム,シング」も5/4までデンプシー・シアターにて上演中。こちらもソウルフルなブラック・ミュージックが楽しめます。The Dempsey Theater 127 West 127th (between Lenox & 7th Avenues)
詳細はページ左上の情報、または
http://www.mamafoundation.org/mama-i-want-to-sing.html