Shakespeare Comes To Harlem! A Midsummer Night’s Dream
ハーレム流シェイクスピア喜劇
「真夏の夜の夢」上演中!
シェイクスピア劇の中でも世界各地で演じられている人気作品、「真夏の夜の夢」がハーレム古典シアター劇団(The Classical Theatre of Harlem)によって7月30日まで、マーカス・ガーヴィ公園内の野外劇場リチャード・ロジャース・アンフィシアターにて上演中。無料 。
いたずらな妖精の恋薬で翻弄される貴族社会の恋人たち、三文芝居の素人役者たち、妖精の森に棲む不思議な生き物たち……… ウィリアム・シェイクスピア作品の中でも世界中で愛されている喜劇が「真夏の夜の夢 – A Midsummer Night Dream」です。このメルヘンの世界で繰り広げられる妖精たち、貴族たち、職人たちの一見かなわぬ悲恋物語、実は、欲情に掻き立てられた男女(または同性間)の乱交を描いたエロチックなお芝居だという説もあります。ゲイ・コミュニティーで大人気なのも頷けます。
キャストは全員アフリカン・アメリカンとヒスパニックです。さすがハーレムの劇団が演出しただけあってヒップホップ、アフリカン・ダンスなどをふんだんに盛り込んだファンキーなお芝居に仕上がっています。現代社会を反映してか、オリジナルは二組の男女恋人たちを中心にしたストーリーなのに、ハーレム・バージョンは男女カップルと女同志のレズビアン・カップルとして描かれています。第一幕で物語の中心となる二組のカップルが登場しその恋愛関係が明らかになります。貴族ハーミィア(女)に首ったけで彼女のカリブ海出身の父親から結婚を許されたディミトリウス(男)、身分の低いライサンドラ(女、原作はライサンダーという男)を愛し、父の命令に背くハーミィア、そしてディミトリウスへの思慕を断ちきれないヘレナ(女)……….追いかければ追いかけるほど好きな相手が逃げてゆく……….愛はメリーゴーランド。
物語の舞台となるのは古代ギリシャのアテネですが、森の妖精たちはカポエラ、アフリカン・ダンスを踊り、モダンなNYファッションのハーミィアとライサンドラのレズビアン・ランデヴー…….、最初は戸惑いますが、ハーレム流にアレンジしたシェイクスピア劇もなかなかのものです。
休憩なしの90分ぶっ通しのお芝居ですが、テンポが速く、役者がやたら舞台を走り回るハイパーな演技で観客を飽きさせません。音楽もモータウンやディアンジェロの「デビルズ・パイ」などを取り入れブラック・カルチャーを全面に押し出しています。400年以上も月日が流れた今、本国イギリスを遠く離れたアメリカで、それもハーレムのブラック・コミュニティーでバイタリティみなぎるモダン劇にアレンジされた「真夏の夜の夢」が上演されていることを知ったら、巨匠シェイクスピアも感動のあまり胸がうち震えることでしょう……..。
この機会にぜひ、シェイクスピア劇を体験してみませんか。
ラストチャンス! 7月30日まで残り2回公演(28日&30日)
7:30pm
入場料無料(チケットは必要ありません)
場所
Richard Rodgers Amphitheater in Marcus Garvey Park
18 Mt Morris Park W (between 120th & 124th @ 5th Ave)
MAP
(347) 688-6304
http://www.classicaltheatreofharlem.org/