6月はJuneteenth。え、何それ?
ジューンティーンスとは1865年6月19日、テキサスで発令された奴隷解放宣言を記念するお祝いのことです。奴隷解放は1863年1月より施行するというリンカーンの宣言で有名ですが、実際にはアメリカの全州で実施されたわけではありませんでした。最後の砦、テキサスが落ちた、その6月19日(ジューンナインティーンス)をジューンティーンスと呼ぶようになりました。
テキサス州では1980年、6月19日を正式に祝日に認定しました。他の州や街でも「ジューンティーンス」を祭日にしようという運動が高まりつつあるようです。 場所によってはフリーダム・ディ、ジュン・ジュンなどのニック・ネームで親しまれています。といっても、私たち日本人にはあまり馴染みがないですよね。
実は、アメリカの黒人たちの間でも一部の知識人たちにしか知られていないのです。ジューンティーンスを機会にもういちどアメリカの奴隷制の歴史を振り返ってみませんか。
ラルフ・エリソンという作家が書いた、「ジューンティーンス」と本があります。1960年代に書かれた作品ですが、本人が亡くなった1994年以降に編纂されて出版された本なので、著者自身が「ジューンティーンス」というタイトルをつけようと考えていたのかは定かではありません。難解ですが、ブラック・カルチャーを知る上でとても役に立つ本なのでぜひ次の機会にでも紹介したいと思います。
伊藤弥住子