Columbus Day 2016
アメリカでは、毎年10月12日はコロンバス・デーを祝います。
コロンパス・デー記念パレード開催
アメリカの教科書には、「クリストファー・コロンブスが1492年10月12日にアメリカ大陸を発見した。」と書いてあります。すでに先住民がいたことは、さすがにアメリカ人たちも知っているようですが、今だにアメリカ大陸を“発見”したイタリア系コロンブスの“功績”を讃え、様々な式典が執り行われています。ニューヨークでは、10月11日(月)にフィフス・アベニューでパレードが開催されます。

先住民の日 Indigenous People’s Day
最近では、「コロンブスがアメリカ大陸を発見した」という記述が、「コロンブスがアメリカ大陸に上陸した」に変わってきているようです。先住民(アメリカ・インディアン)たちは、この日をIndigenous Peoples’ Day 2016(先住民の日)として、正式な祝日にするよう求めています。コロンブスが最初にアメリカ大陸に上陸したヨーロッパ人かどうかはさておいて、すでに居住していたアメリカ・インディアンたちを正式に認識すべきだと訴えています。ずっと「コロンバスが発見した大陸に、ヨーロッパからの入植者たちが築き上げた国家がアメリカだ」言い続けてきたアメリカ。先住民にしてみれば、「オレたちがすでにいたじゃないか…..!」と抗議したくなる気持ちもわかります。白人入植者たちによって自分たちの祖先が大量虐殺され、土地を奪われ、作物の実らない僻地へ追いやられた…….。その発端となったコロンバスのアメリカ上陸を記念して祝う、というのはインディアンにしてみたら納得できないのは当然と言えるかもしれません。
現在のアメリカに、ほんの少しでも「良心」が残っているのなら、この日をアメリカ・インディアンたちが辿った苦難の歴史として慰霊すべきでは……..。そんな長年の嘆願が実って、「コロンバス・デー」から「先住民の日」へ変わった都市や州があります。
コロラド州のデンバーでは、昨年から10月12日を「先住民の日」に定めました。もともと、コロラド州の音頭で、10月12日が「コロンバス・デー」に制定され、1909年には最初のコロンバス・デー・パレードが開催されたそうです。そういった過去のいきさつを考えると皮肉な結果と言えます。
州では、サウス・ダコタが、毎年10月第二月曜日を「先住民の日」に指定しています。アメリカ・インディアン各部族の文化継承を奨励するとともに、彼らのノース・アメリカへの貢献を讃えて正式な祝日としています。
なぜ「コロンバス・デー」ではいけないのか。以下、ラコタ・インディアン居留地区の活動家、ビル・ミーンズ氏のコメントです。
「クリストファー・コロンバスはアメリカの植民地政策の象徴です。彼が祖国の建国の父などと称されるのは全くの間違いです。」