Thanksgiving Day or “ThanksTaking” Day?
私がアメリカに移住してきてから30年経ちます。「最もアメリカらしい祝日がサンクスギビング(感謝祭)」なのだそうです。では、いったい何に感謝する祝日なのでしょう。今だによくわからないので詳しく調べてみました。
学校の教科書では、1620年、メイフラワー号で英国からケープコッドに上陸した入植者たち(ピルグリム/ピューリタン)が厳しい冬を乗り越え、先住民のアメリカ・インディアンたちに農業や狩りを教わり、翌年、生きながらえて最初の収穫に恵まれたことを神に感謝してお祝いする、と教えています。ところが、その後の歴史をみると、入植者たちがインディアンと友好関係にあったことを示す文献がなかなか見当たりません。
1970年、ピルグリムの子孫たちが感謝祭を祝っているさなか、まさに発祥の地、ニュー・イングランドのプリモスに、「アメリカン・インディアンの弔いの日」だとプロテストをする原住民の団体が現れました。代表者のワンパノーグ(Wampanoag)族(クリーク族)のフランクBジェームス、a.k.a. Wamsutta James ほか数百名のアメリカ・インディアンが結集、「350年前、白人たちが入植して以来、暖かく迎え入れて助けてあげたにもかかわらず、自分達インディアンは土地を取り上げられ、大量虐殺され、絶滅の危機にあえいでいる。アメリカの白人たちにとっての感謝祭は自分たちインディアンたちにとっては祖先を弔う悲しい日でしかない。」と訴えました。彼らの声明とは、「白人が原始人同様のインディアンに文明をもたらし、貢献した、などとは真っ赤な嘘!全ての条約を反故にし、インディアンを虐殺した。そいういう事実を隠し、ピルグリムを神聖化することに意義を唱えているだけ。」といった内容です。
アメリカン・インディアン側の他の資料を見ても、「アメリカの白人は約束を守ったためしがない。」といった記述ばかりが目立ちます。まぁ、そういう意味でサンクスギビングはとてもアメリカ的な祝日といえるかもしれません。この反対運動「ナショナル・ディ・オブ・モーニング」はフランクの亡くなった2001年以降も、息子Moonanum James によって現在も受け継がれています。今年もサンクスギビング当日にデモが開催されます。参加希望の方は以下のリンクをご参照ください。
November 16, 2015
12:00 noon
Coles Hill Plymouth, MA