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”ワイルド・スタイル”日本で再公開- DJ ソルジャー・オール・ニッポン・タイムス/ “Wild Style” Is Back! – All Nippon Times by DJ SOULJAH

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ニッポン・ヒップホップ・シーンを代表するDJ ソルジャーが東京から発信んする最新ニュース&トップ3アルバム!
2015 1st QT  Japan Hip Hop News and  Top 3 Albums by DJ SOULJAH !

日本にヒップホップ革命をもたらしたとされる1983年公開の伝説のヒップホップ 映画『Wild Style』が劇場公開されております(日本語訳はラッパーのK DUB SHINE!)

Released in 1983, “Wild Style” is the groundbreaking document of early hip-hop now playing in theaters in Japan with Japanese sub-title by JP’s legendary rapper, K Dub Shine. http://www.uplink.co.jp/wildstyle/

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ホリデー特別映画「ブラック・ネィティヴィティ(クリスマス・キャロル黒人版)」いよいよ公開!Holiday Movie “Black Nativity”

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Black Nativity – 2013 Holiday Film

R&Bヒップホップ・スター総出演! R&B Singer Tyreese, Mary J. Blige, Jennifer Hudson, Rapper Nas

フォレスト・ウィタカー、アンジェラ・バセットなどベテラン俳優のほか、ジェニファー・ハドソン、タイリース、メアリーJブライジ、ナズなどミュージシャンが出演している「ブラック・ネィティヴィティ」はこのホリデー・シーズン必見の映画です。ネィティヴィティというのは 聖書に基づいたイエス・キリスト生誕にまつわるお話で、 毎年、クリスマス・シーズンになるとTVや映画、芝居で取り上げられます。日本でも年の暮れに「忠臣蔵」がTV放映されるのと似ています。内容は全然違いますが…….。

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Langston Hughes 原作

原作は、ハーレム・ルネッサンス時代を築いた有名作家/詩人のラングストン・ヒューズが1961年に書いたゴスペル・ミュージカル、「Black Nativity」で、ブラック・コミュニティの教会を舞台に、アフリカン・アメリカンたちのスピリチュアルな側面を描いています。オリジナル作品は61年にオフ・ブロードウェイで上演され、初期のアフリカン・アメリカンのミュージカルとして評判になりました。その後、ボストンのトレモント・テンプル、そして、ニューヨークのリンカーン・センターでも上演されました。総勢160人のゴスペル・シンガーたちが出演したといいますから、その迫力は想像を絶するものだったのではないでしょうか。

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このサンクスギビング(11月27日)に公開される映画、「Black Nativity」は、一説によると原作にあまり忠実ではなく、曲目も芝居で歌われたものとはだいぶ違っているとのこと。ま、ハリウッドですから……..。ストーリーは、主人公のバルチモアの少年、ラングストン(17歳のR&B歌手、ジェィコブ・ラチモア)がニューヨークに住む牧師の祖父母(フォレスト・ウィタカー、アンジェラ・バセット)とクリスマスを過ごすために訪ねて来るところから始まります。ストリート育ちのラングストンは、敬虔でとても厳しい祖父とソリが合わず、バルチモアにいるシングル・マザーの母親(ジェニファー・ハドソン)のもとに帰りたいと切望します。謎のキャラクター(タイリース)が登場したり、ホームレス役でルーク・ジェームスが出演していたり、メアリーJブライジもエンジェルとして参加していたりと、かなり今風でファンキーな物語に仕上がっているようです。気になるのがラッパーのナズ。予言者、イザイアのストリート・ヴァージョンを演じているとか…….。自称「ゴッド・サン」のナズ、実はかなりの読書家で、このプロジェクトを選んだのも、原作が詩人のラングストン・ヒューズのミュージカルだからという理由だそうです。

サントラ情報Music From The Motion Picture Black Nativity (RCA Records)

サントラは米国で11月5日にリリースされました。トラディショナル・ゴスペル、スピリチュアル、モダン・ゴスペルのアルバムですが、プロデューサーが元トニー・トニー・トニーのラファエル・サディークというのがとても興味深いと思います。

トラック・リスト

1.    Be Grateful – Forest Whitaker & Jennifer Hudson

2.    Coldest Town* – Jacob Latimore

3.    Test Of Faith* – Jennifer Hudson

4.    Motherless Child – Jacob Latimore feat. Nas

5.    Hush Child (Get You Through This Silent Night) – Jennifer Hudson, Luke James, Grace Gibson & Jacob Latimore

6.    He Loves Me Still* – Angela Bassett & Jennifer Hudson

7.    Can’t Stop Praising His Name – Forest Whitaker

8.    Sweet Little Jesus Boy – Tyrese

9.    Rise Up Shepherd and Follow – Mary J. Blige & Nas

10.   Fix Me Jesus  – Jennifer Hudson

11.   Jesus On the Mainline – Forest Whitaker

12.   As – Cast

*New original song.

伊藤弥住子

August Wilson’s American Century Cycle 劇作家オーガスト・ウィルソン「一世紀祭り」

Fences

Fences

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劇作家オーガスト・ウィルソン「一世紀祭り」
xっzAugust Wilson’s American Century Cycle

August Wilson

August Wilson

ピューリッツァー賞受賞劇作家、オーガスト・ウィルソンの10作品上演会がNYのグリーン・スペースにて開催されます。これはラジオ録音用で、ブロードウェイ・ショーのように豪華なセットなどはありまんせが、ベテランの俳優によるユニークな朗読会になりそうです。タイトルは「アメリカン・センチュリー・サイクル」、舞台設定は1900年から1990年まで100年(一世紀)の長きにわたります。

オーガスト・ウィルソンはピッツバーグ(ペンシルバニア州)出身、黒人奴隷や人種差別、白人による搾取に不満をもつ貧しい黒人達の生活を描いたアメリカを代表する劇作家です。音楽愛好家で、ジャズやブルース・ミュージシャンが登場する作品も多く、セリフにリズムがあって躍動感に溢れています。今回の作品は物語の舞台となる年代ごとに分けられています。チケットは$40。

Black Shakespeare

黒人社会では「ブラック・シェイクスピア」と親しまれているウィルソン劇、ハリウッドの有名俳優たちの間でも熱狂的ファン少なくありません。TV番組「コズビー・ショー」のクレア・ハクスタブルを演じた人気女優フィリシア・ラシャッド、映画「マトリックス」3部作に出演したローレンス・フィッシュバーン、黒人女優きっての演技派、アンジェラ・バセット、ハリウッドのブラック・プリンス、デンゼル・ワシントンなど、ウィルソン作品を何度も演じてきました。

スケジュール

8/26 7pm Ma Rainey’s Black Bottom
8/28 7pm Fences
9/4 7pm Joe Turner’s Come and Gone
9/9 7pm The Piano Lesson
9/11 7pm Two Trains Running
9/13 7pm Seven Guitars
9/16 7pm Jitney
9/21 7pm King Hedley II
9/24 7pm Gem of the Ocean
9/28 7pm Radio Golf

 

 : The Green Space44 Charlton Street (corner of Varick Street)New York, NY
http://www.thegreenespace.org/articles/thegreenespace/2013/jul/01/august-wilsons-american-century-cycle/

それぞれのお芝居の内容をみてみましょう。

8/26 – Ma Rainey’s Black Bottom

Whoopie Goldberg as Ma Rainey

Whoopie Goldberg as Ma Rainey

監督:Ruben Santiago-Hudson 

1920年代のシカゴ。主人公はマ・レィニーという実在のベテランの黒人女性ブルース歌手。場面はレコーディング・スタジオで、白人レーベル・オーナーがとりしきります。バンド・メンバーは長年一緒にやっているジャズ・ブルース・ミュージシャン。若いトランペット・プレーヤーのレヴィーが白人プロデューサーに取り入るため斬新なアレンジでマ・レィニーを怒らせます……。今も昔も変らない音楽業界の薄汚い裏の世界、黒人社会に今も暗い影を落とす忌まわしい奴隷制……..衝撃的な結末。2003年、NYのブロードウェイ・ショーでの上演はウッピー・ゴールドバーグがマ・レィニー役を務め話題になりました。

キャスト

マ・レィニー                  Ma Raineyシカゴのブルース歌手。

カトラー                           Custlerトロンボーン奏者。

レヴィー                           Leveeトランペット奏者、ソロ・デビューを目指す。

スロウ・ドラグ                  Slow Dragベーシスト。

トリード                           Toledoピアニスト。

8/28 – Fences

Denzel Washington as Troy

Denzel Washington as Troy

監督:Kenny Leon

1950年代のピッツバーグ。主人公のトロイ・マクソンは50代の元二グロ・リーグの花形野球選手で現在はごみ収集作業員。人種差別のせいでメジャー・リーグに入ることができなかったと信じているトロイ、プロのフットボール選手を目指す息子との確執、奥さん以外の愛人に子供を生ませたり、夢も希望もない問題だらけの人生………。ピッツバーグの黒人コミュニティーの厳しい現実をカラフルに描いたドラマ。1987年にはジェームズ・アール・ジョーンズが、2010年にはデンゼル・ワシントンがブロードウェイ・ショーでそれぞれ主役のトロイを演じてトニー賞ベスト・アクター賞を受賞。2007年、ローレンス・フィッシュバーンがトロイを、妻のローズ役をアンジェラ・バセットが演じ、ティナ・ターナーの伝記映画、「ホワット・ラヴ・ガット・トゥ・ドュ・ウィズ・イット」以来の共演となりました。

Laurence Fishburne & Angela Bassett in Fences

Laurence Fishburne & Angela Bassett in Fences

キャスト

トロイ                                Troy Maxson 53歳のごみ収集作業員。

ローズ                                Rose Maxson トロイの妻。

コーリィ                           Cory Maxson トロイとローズの長男。

ガブリエル                       Gabriel Maxson 次男。戦地で負傷、以来精神に異常をきたす。

9/4 – Joe Turner’s Come and Gone

監督:Phylicia Rashad

Phylicia Rashad

Phylicia Rashad

1910年代のピッツバーグ。元奴隷ヘラルド・ルーミスは7年間強制労働をさせられ、妻も娘も、そして人間としての目的をも失ってしまいます。やっと解放され、妻を探す果てしない旅に出ます……。舞台はピッツバーグで下宿屋を営む中年のセスとバーサ夫婦の家。ジョー・ターナーは実在のテネシー州知事、ジョー・ターネィのもじりで、ここでは南部社会の悪の根源を象徴しています。。南部では鉄道建設や工場建設などに必要な労働力を得るため、黒人たちを不当に逮捕して強制的に働かせるという悪政が横行していました。ここに登場するヘラルド・ルーミスもその犠牲者のひとり。タイトルは、突然蒸発してしまった夫やボーイフレンドの行方を尋ねる女性たちへの答え、「ジョー・ターナーがやって来て連行していった。」を意味しています。宗教色の強い人間ドラマ。

キャスト

セス・ホーリー               Seth Holly 50代。下宿屋の主で職人。

バーサ・ホーリー         Bertha Holly 下宿を切り盛りするセスの5歳年下の妻

バイナム                       Bynum Walker下宿人。怪しげな祈祷術にとり憑かれている。

ラザフォード                  Rutherford Selig 元奴隷貿易商の息子、現在は「よろず屋」。唯一の白人。

ジェレミー                       Jeremy Furlow下宿人。工事現場で働く25歳。ギターが趣味。

ヘラルド・ルーミス Herald Loomis ほんの些細なことで逮捕され7年間強制労働させられる。夏でも厚手のコートを着ている32歳。

9/9 – The Piano Lesson

監督:Ruben Santiago-Hudson 

1936年、大恐慌の悪夢から冷めやらぬピッツバーグのHill District。家族の唯一の財産、アンティーク・ピアノを巡ってチャールズ家のメンバーが繰り広げるファミリー・ドラマ。1990年にピューリッツァー賞を受賞。

キャスト

ドーカー・チャールズ               Doaker Charles チャールズ家の主、47歳。

バーニース                       Berniece ドーカーの姪、35歳。亭主に先立たれ、娘と叔父と同居。

ボーイ・ウィリー         Boy Willie バーニースの弟。刑務所から出所したばかりの30歳。

ライモン                           Lymon ボーイ・ウィリーの親友、29歳。バーニースに思いを寄せる。

9/11 – The Two Trains Running

監督:Michele Shay

1969年、ピッツバーグの黒人コミュニティー、ディストリクト・ヒル地区のダイナーのオーナーの葛藤を描いた物語。1968年4月キング牧師暗殺直後より各地で暴動が勃発、緊張感がただようピッツバーグの街では都市計画が進み、黒人たちはますます経済的に窮地へ追いやられてゆきます。立ち退きを迫られるダイナー経営者、南部出身の古い世代のメンフィス、黒人たちを追い出そうとする都市計画の反対運動に没頭する刑務所を出たばかりの若者スターリング、ブラック・コミュニティーでも価値観が異なり、ジェネレーション・ギャップが浮き彫りにされます…….。

キャスト

ハロウェイ                       Hollowayダイナーの常連。

ウルフ                                Wolf ダイナーの常連。ギャンブル目的で公衆電話を独占。

スターリング                  Sterling若いブラック・パワー運動家。

リサ                                    Risa ダイナーのウェイトレス。

ハンボーン                       Hambone 地元ホームレスの客。知恵おくれ。

メンフィス                       Memphis ダイナー経営者。

9/13 – Seven Guitars

監督:Stephen McKinley Henderson

1948年代のピッツバーグの黒人地区。ブルース・ミュージシャン、フロイド‘スクールボーイ’バートンの葬式に参列した友人たちが帰ってきたところから物語が始まります。フロイドの生前にフラッシュ・バック。90日の刑期を終えて出所してきたフロイドは元の彼女の家をたずね、一緒にシカゴに行って暮らそうともちかけます。自分たちのレコードがヒットし、マネージャーから第二弾目のレコーディングをしにシカゴに来るようオファーをもらったというのです。まだ公民権運動が叫ばれる前、黒人の男たちがデタラメな罪状をでっちあげられ逮捕されることは日常茶飯事でした。主人公のフロイドは警察に「お金をもっていない」という理由で捕まり、一緒にいたミュージシャン仲間のレッド・カーターは多額のお金を所持していたことで、「盗んだに違いない」という理由でそれぞれ投獄されました。ブラック・コミュニティーの男たちのやるせない葛藤が伝わってきます。タイトルの7ギターとは、7人の男女が織り成すそれぞれの人生の協奏曲のこと。

キャスト

フロイド・バートン     Floyd ‘Schoolboy’ Barton 主人公。ブルース・ミュージシャン。

ベラ                                    Vera フロイドの彼女。独身。

レッド・カーター         Red Carter ドラマー。

ケィンウェル                  Canewell ミュージシャン。

ルイーズ                           Louise

ルビー                                Rubyルィーズの25歳の尻軽の姪。男と別れて叔母を頼って上京。

ヘドリー                           Hedley 下宿人。ちょっと頭のおかしい養鶏オジサン。

9/16 – Jitney

監督:Ruben Santiago-Hudson 

1977年、うらびれたピッツバーグのジプシー・キャブ(Jitney)の事務所にはドライバーたちがたむろしながら仕事の電話を待っています。ライセンスもない違法な商売です。ここ、黒人地区ヒル・ディストリクトではイエロー・キャブなどという洒落たものなどないのです。オーナーの息子が刑期を終えて古巣に戻ってくるところからストーリーが展開してゆきます。

キャスト

ベッカー                      Becker ジトニーのオーナー

ブースター                  Booster ベッカーの息子。父とは折り合いが悪い。

リーナ                         Rena ボーイフレンド、ダーネルとの間に子供がいる。

ダーネル                      Darnell/Young Blood 浮気性の若い運転手。

シーリー                      Shealyジトニー運転手。

9/21 – King Hedley II

監督:Michele Shay

1985年のピッツバーグ。殺人を犯し刑期を務めシャバに戻ったキング・ヘドリー・ザ・セカンド。過去に犯した罪に苛まれ、葛藤の毎日が続きます。ガールフレンドのトーニャとまともな人生を歩もうとしますが思うようにいきません。友人のミスターとビデオの店を持とうと盗品の冷蔵庫を打って荒稼ぎをしようと企みますが……….。

キャスト

トーニャ          Tonya主人公、キング・ヘドリーのガールフレンド。妊娠を知って中絶しようか迷う。

ルビー             キングの母親。

エルモア          殺人罪で長期服役後出所、故郷ピッツバーグに帰ってくる。

キング             King Hedley II前科者で過去の罪に苛まれる。事業を始める資金集めに奔走する。

ミスター          キングの相棒。一緒にビデオ屋経営を夢見る。

9/24 – Gem of the Ocean

監督:Kenny Leon

1904年、ワイリー・アベニュー1839番地にある、自称285歳のエスターおばあさんの家で起こる現実離れしたお話。元奴隷だったエスターおばあさんは「穢れた魂を洗浄する」ことを生きがいにしています。彼女を訪れる近所人たちが繰り広げるスピリチュアルなドラマ。

キャスト

エスター・タイラー    Aunt Ester Tyler元奴隷でスピリチュアルな不思議なパワーを持つ。

シチズン・バーロー Citizen Barlowエスターの評判を聞いて訪ねてきたアラバマ出身の若者。

ソーリー                      Solly Two Kingsエスターの友達で元奴隷。

ブラック・メアリー    “Black” Mary Wilkesエスターの家政婦。

9/28 – Radio Golf

監督:Marion McClinton

1997年、ピッツバーグのヒル・ディストリクトが舞台。親から不動産業を継いだアイビー・リーグ出のエリート黒人青年、ハーモンド・ウィルクスは妻と金融関係の友人と組んで地元の土地開発の事業に乗り出します。スターバックスなど大手店テナントを入居させる高層マンション建設のプロジェクトも順調に進み、同時に初の黒人市長になろうと野心を燃やします。すべてが順風満帆、と思いきや土地買収でつまづいてしまいます……。

キャスト

ハーモンド        Harmond Wilks 不動産、土地開発業者。政界進出を狙う。

メイム                 Mame Wilksハーモンドのやり手の妻。

ルーズベルト  Roosevelt Hicksハーモンドと学生以来の友人で事業のパートナー。

(伊藤弥住子)

Brunch In Harlem [3] サザン・コンフォート・フード@エイミー・ルースAmy Ruth’s Best Chicken & Waffles!

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サザン・コンフォート・フード

ニューヨークで流行っているブランチ・スポット(クリントン・ベーキング・カンパニー、スタントン・ソーシャル…..etc.)の定番メニューとして目立つのが今回ご紹介するフライド・チキン&ワッフルです。実はこのチキン&ワッフルはサザン・コンフォート・フードの代表格になりつつあります。

ソルティーなチキンと甘いワッフルの組み合わせはちょっと反則、と思うかもしれませんが、これが意外に美味しくて日本人のファンも増えています。

エィミー・ルースの美味しさの秘密

NYで一番おいしいと評判の「エィミー・ルース」の Chicken & Waffles を食べてみたらやみつきになることうけあい。確か、1998年のオープン当初よりメニューにあったと記憶しています。ワッフルの上のフライド・チキンが乗っている姿には一瞬ドキリとしますが、大丈夫。ここのワッフルはこんがりと焼き色がついた、外側がカリッとして中はふんわり、ベルジャン・ワッフルとパンケーキとの中間のような食感がたまりません。カラりと揚がったチキンの皮の上からメィプル・シロップをたらし、ナイフを入れるとジューっと肉汁がほとばしります。肉汁とシロップが混ざり合ってワッフルにしみ込んだところをパクっとかぶりついて頂きましょう。美味しさの秘密は「100% Pure Maple Syrup」にあります。鶏肉とワッフルのふたつのフレーヴァーを調和させる重要な使命を果たすのがメィプル・シロップなのです。お店によってはまがい物のシロップを使っているところもあるので要注意!「エィミー・ルース」のメニューには「うちは100パーセント本物のメィプル・シロップを使っています」と書いてあります。

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チキン&ワッフルの歴史

今ではソウル・フードの代名詞のようになってしまった「フライド・チキン&ワッフル」ですが、その発祥の歴史は定かではありません。18世紀にトーマス・ジェファーソンがフランスで購入したワッフルを焼く器具を持ち帰って広めたという説や、朝食にフライド・チキンとパンを食べていたのがその代用としてちょっと贅沢なワッフルとの組み合わせになったという説………。当時、南部の奴隷たちは主人の残り物の肉(豚足や内蔵)や野菜を煮込むなど料理を食べていました。それがソウル・フードの原型になりました。基本は主人の食べ残しやトウモロコシなどですが、ホリデーやスペシャルな日には鶏をもらうこともあったといいます。フライド・チキンはたいへんなご馳走だったようです。日曜日の朝、教会のミサのあとチキンとワッフルを食べるのが定着した、という説もあるようです。

ウェルズ・サパー・クラブ

レストランのメニューに加わるようになったのは、どうやら1920〜30年代のハ−レム・ルネッサンスの頃のようです。その頃ハーレムで有名だった「ウェルズ・サパー・クラブ」では、ブレックファースト、ランチ、ディナーをやっていて、ディナー用に作り置きしていたフライド・チキンが売れ残って困っていました。必要は発明の母、残りもののフライド・チキンを深夜のメニューとして登場させることを思いつきました。さらに、深夜にもはけなかったチキンを朝食用にワッフルとのセットでだしたところ意外なカップリングが大評判になり、ハーレム住民の間で親しまれるようになったそうです。

アル・シャープトン

そんな歴史をちらりと振り返りつつ「エィミー・ルース」の人気ブランチ・メニュー、フライド・チキン&ワッフルをお楽しみ下さい。ちなみに、ここのメユーには地元ハーレムの著名人の名前がついています。チキン&ワッフルは「アル・シャープトン」、次期大統領候補にもなるほどリスペクトされている黒人公民権運動の活動家です。

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*ハーレムでしか味わえないスペシャルな飲み物、「サンライズ」もお試し下さい。オレンジ・ジュース、レモネード、それにクールエイドをミックスした超カラフルで甘〜いジュース。ハーレムの夏の思い出に……。

(レポート:伊藤弥住子 シェリーめぐみ)

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