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オスカー受賞ラッパー、コモンのハーレム “親密”ライヴに行って来ました Common brings “Glory” to Harlem

Common at MIST 2
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マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の率いる公民権運動の映画「セルマ」の主題歌”Glory”でオスカー賞をみごとに受賞したラッパー、コモンのライヴがハーレムのMIST (My Image Studio) で開催されました。5月6日(水)、夕方7時と9時の2回ショーが行われました。「ハーレム2ニッポン」のコンテンツの英語監修を手伝ってくれているケン・シモンズとセカンド・ショーに行ってきました。その時のレビューをケンさんが書いているので興味のある方は英語ヴァージョンを読んでみてください。

ウータン・クランのRzaも応援に駆けつけてくれました。コモンはシカゴ出身ですが、ブルックリンに住んでいたこともあり、ニューヨークは第二の故郷だそう。ハーレムでのライヴとあってかなり気合が入っている様子でした。

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ジェームス・ブラウン伝記映画、ハーレムのアポロ劇場で試写会

Mick Jagger presents James Brown biopic ‘Get On Up’ premiere at Apollo Theater

james brown storyRead in English

ローリング・ストーンズのミック・ジャガーが若い頃に最も影響を受けたミュージシャンがジェームス・ブラウンだったといいます。JBの伝記映画の話が持ち上がった時、迷わずプロデューサーとして名乗りを上げたのもミックでした。そんないきさつもあって、彼にとっては思い入れのある映画、JBの曲のタイトルと同名の「Get On Up」が完成、試写会を7月21日、ハーレムのアポロ劇場で行い、自ら応援に駆けつけてくれました。

mick jaguarミック・ジャガーと共同プロデューサーのブライアン・グレィザーを紹介するさい、アポロ劇場のCEOジョネル・プロコープは、「試写会を開催するのにここほど適している場所は考えられません。ジェームス・ブラウン、イコール、アポロ・シアターと言っても過言ではないからです。」とコメントしました。

アポロ劇場

Apollo「ショー・ビジネス界で最も働きもの」と異名をとるジェームス・ブラウンがデビューを飾ったのも、ここ、125丁目のアポロ劇場でした。以来、アポロでも数多くのショーをこなし、「ローリング・ストーン誌」にも、JBの1963年の実況アルバム、「Live At The Apollo」はグレーテスト・アルバム500の一枚に数えられています。同誌はJBを偉大なレコーディング・アーティスト7位に挙げています。偉大な功績を遺した「ゴッド・ファーザー・オブ・ソウル」こと、ジェームス・ブラウンが73歳で亡くなった2006年12月25日、遺体は棺におさめられ、デビューを果たした同じ劇場にて弔問客たちを迎えたのでした。

JB伝記映画

あれから約8年、チャドウィック・ボーズマンを主役に制作されたJB物語、「Get On Up」がやっと完成、8月1日より一般劇場公開が決定。ボーズマンは「ジャッキー・ロビンソン物語 42」で初の黒人ベースボール・プレ―ヤー、ジャッキー・ロビンソンを演じて絶賛されました。今回は、サウス・キャロライナ出身のファンクの草分け、16曲ものナンバー・ワン・ヒットを世の中に送り出し、1986年には「栄光のロックン・ロール」殿堂入りを果たしたミュージシャンJBをみごとに演じています。彼は、まさに”Soul Brother Number One” そのもの、名曲、“Say It Loud – I’m Black and I’m Proud”は60年代に台頭した公民権運動のテーマ曲として親しまれました。

60年代、ジェームス・ブラウンがアポロ劇場の「アマチュア・ナイト」に出演したさい初めて生のライヴを観て大感激したミック・ジャガー、その後再びJBのコンサートを訪れ、「JBからステージに招かれ、恥ずかしいから拒んだけれど、無理やり力づくで舞台に引っ張り出された」と回想しています。

豪華キャスト

jill scott「ザ・ヘルプ」でオスカー候補に輝いたテイト・ティラー監督の「ゲット・オン・アップ」はJBの貧しい子供時代から、のちに両親に見捨てられ、ぐれて逮捕されて刑務所暮らしを経験、やがてスターになって自家用ジェットで世界を飛び回るほどビッグになった人生を描いています。本人の細かいしぐさや自信に満ちた態度、「ミスター・ダイナマイト」と言わしめたそのダンスのうまさなど、主役のチャドウィック・ボーズマンが見事に再現しています。脇を固めている俳優たちにも気合いが入っています。JBとは過去にも「ブルース・ブラザース」「ブルース・ブラザース2000」「ドクター・デトロイト」で共演したダン・エィクロイドがエージェント役、ベン・バートを演じ、歌手のジル・スコットが元妻のディー・ディー・ブラウン役、そしてヴィオラ・ディヴィスが匙を投げた母親役、オクタヴィア・スペンサーが育ての親の叔母役として出演しています。バンド・リーダーのメィシオ・パーカーを演じるのはコメディアンのクレィグ・ロビンソンという顔ぶれです。

ストーリーは、昔、窃盗容疑で捕り服役中に、刑務所を慰問してパフォーマンスをしていたゴスペル・シンガー、ボビー・バードに感銘、出所後彼のところに身を寄せシンガーとして下積みをしてスターダムにのし上がっている様子が語られます。また、ツアーを一緒にしていたリル・リチャードとのもこの頃知り合い、「オレたちの時代を築こう!」と盛り上がります。

night_james_brown_saved_bostonjpeg物語はジェームス・ブラウンのコンシャスな面にも光をあてます。ベトナム戦争のさなか、ボランティアで戦地に赴き、いつ爆撃されるかわからないといった危険のもと、兵隊のための慰問ライヴを敢行します。また、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が暗殺された翌日に予定されていたボストン公演も、暴動が起きるかもしれないからキャンセルするように、という市長の勧告にもそむきコンサートを開催、興奮したオーディエンスをなだめるといった偉業も成し遂げたりしたのです。

また、ドラッグ中毒で奥さんやガール・フレンドを殴る蹴るといったドメスティック・ヴァイオレンスの場面も登場します。1988年、ドラッグでとち狂っい、追ってくる警察から逃れようと必死でチェイスを試み、結局取り押さえられ6年服役した事件はよく知られています。

主役はJBヒット曲

もちろん、この映画の主役はJBの数々のヒット曲です。”It’s A Man’s Man’s Man’s World,” “Cold Sweat,” I Got That Feelin’,” “Soul Power,” “Super Bad,” “Try Me,” “Say It Loud,” そして映画のタイトル, “Get On Up”などJB節を思い切り堪能できること請け合い。

この日、試写会パーティーに集まった有名人はマーサ・スチュワート、アル・シャープトン、トニー・ダンザ、フレディ・ジャクソン、ヴァレリー・シンプソン、ルーク・ジェームス、ハーレムを代表する政治家のチャールズ・ランゲルも姿を見せました。

james-brown-ii-and-tomi-rae-brown-premiere-of-get-on-up-tattoo-1406107928-view-1映画のあとのパーティーではみんな一緒にダンス大会。DJを務めたのはJBの弟のクリス・ロブ、一番うまかったダンサーはJBの13歳の息子、「JBジュニア」だったとか…….。JB一族が活躍した試写パーティーでした。

ケン・シモンズ(伊藤 弥住子 訳)

 

ハーレム・ルネッサンスの大女優ルビー・ディー 1922-2014

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ハーレム・ルネッサンスを生きた女優、公民権運動家としても知られるルビー・ディーが91歳の生涯を終えました。NYのニュー・ロシェールの自宅で子供たち、孫たちに見守られて静かに息を引き取ったそうです。

57間連れ添った夫でやはり俳優のオッシー・ディヴィスがなくなった2005年以降も活動を続け、2007年に公開された映画、「アメリカン・ギャングスター」にデンゼル・ワシントン演ずる主役、フランク・ルーカスの母親役で出演、アカデミー賞にノミネートされています。

A Raisin in the Sun

A Raisin in the Sun

ルビーの女優としてのブレイクは1959年にオープンしたブロードウェイ・ショー「Raisin In The Sun」でした。原作は29歳の黒人女流作家、ロレイン・ハンズベリー、監督も黒人のロイド・リチャーズ、キャストも白人弁護士を除く全員が黒人という、ブロードウィ・ミュージカル史上初めてのブラック・ドラマでした。演技派の代表、シドニー・ポワチエが熱演した主人公のウォルター・リーの妻役、ルースをルビーが見事に演じ、初日から観客全員が総立ちで絶賛、1961年には同じキャストで映画化されています。シカゴの貧民街、サウス・サイドの人種差別問題を扱った「レィズン・イン・ザ・サン」は、これまでのブロードウェイ・ショーの常識を打ち破った社会派ドラマで、以後のブラック・カルチャーにも大きく波紋を投げかけた重要な作品だと言われています。

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60年代、ルビーは夫のオッシー・ディヴィスと共に、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師、マルコムX等、公民権運動のリーダーたちと共に闘い、生涯を通して黒人の人権問題人種偏見撲滅運動を推し進めてきました。

生まれはオハイオ州のクリーヴランドですが、「育ったハーレムが私の故郷」とハーレム住人としての誇りを持っていたそうです。

先週の金曜日、ニューヨークのブロードウェイ・ショーの劇場はすべて照明を落とし、ルビー・ディーの功績を讃えました。

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