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オスカー受賞映画「12 Years A Slave(12 イヤーズ・ア・スレイヴ)〜それでも夜は明ける」3/7日本公開!

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12 イヤーズ・ア・スレイヴ(それでも夜は明ける)/12 Years A Slave – イギリス製作の「奴隷映画」絶賛!

12 Years A Slave – アカデミー賞最優秀作品賞受賞!3/7日本公開

「12 Years a Slave (邦題 それでも夜は明ける)」がみごとオスカー最優秀映画賞を獲得しました。ストーリーはH2Nで以前紹介しているのでこちらを参照下さい。

この映画制作のきっかけになったのは、イギリス生まれの黒人監督、スティーヴ・マックィーンと原作、1953年に発行されたソロモン・ノーサップの同名著書「12 Years A Slave 」との出会いでした。

2008年のマックィーン監督作品、「ハンガー」で認められ、次の作品はアメリカの奴隷制を題材にしたいと脚本家のジョン・リドリーに相談をもちかけ、ふたりで試行錯誤していた時に助け舟をだしてくれたのが彼の妻でした。

「ほら、こんな本があるわよ。」と見せられたのがソロモン・ノーサップの自叙伝「12 Years A Slave」で、そこには主人公、ソロモンが誘拐されて12年奴隷として生活した記録が克明に綴られていました。この本を読んだマックィーンはあまりの感動にソロモンの体験を映画化することを決め、2年かけて実現に漕ぎ着けました。監督のスティーヴ・マックィーン、脚本を担当したジョン・リドリー(オリジナル・スクリーン・プレイ賞受賞)、主演のチィウェテル・イジィフォー助演女優賞を受賞したルピタ・ニョンゴプロデュースにも一役かってくれたブラッド・ピットなど、スタッフ全員の気合いが伝わってくる熱い作品です。

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残虐なシーンも登場するので大人のオーディエンス向きです。

伊藤弥住子

[Black History Month]知っておきたいブラック・ヒストリー:フレデリック・ダグラスのこと

Frederick Douglass c1860s

Frederick Douglass c1860s

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黒人歴史月間(ブラック・ヒストリー・マンス)に寄せて
知っておきたいフレデリック・ダグラスのこと

日本ではあまり知られていないかも知れませんが、アメリカの黒人の間で、元奴隷で後の奴隷制廃止運動の指導者、フレデリック・ダグラスのことを知らない人はいません。2月は黒人歴史月間、現在のオバマ大統領に匹敵するくらい、全米の黒人たちに勇気を与えたフレデリック・ダグラスのことをご紹介したいと思います。

Frederick Douglass 奴隷制廃止運動家

1818年、今から200年近く前にメリーランド州の奴隷として生まれたフレデリックは、肌の色もアフリカ系奴隷より薄く、顔立ちも黒人離れしていたことから、父親はご主人さま(マスター)の白人ではないかとされています。身長約190cmでがっしりした体格で繊細な顔立ちのフレデリックは女性にもてたようです。

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当時は黒人が読み書きを勉強することは違法でしたが、奴隷として仕えた女主人から習い、フレデリックはこっそり学習を続け学問を身につけました。20歳の頃、自由の身で白人家庭の召使いとして働いていた黒人女性と知り合ったフレデリックは、彼女の経済的援助を得てプランテーションからの脱走を計り、無事にニューヨークに辿り着きます。紆余曲折を経て、自由を勝ち取り、「フレデリック・ダグラス自叙伝:アメリカの奴隷」を1845年に出版しました。当時、奴隷の生活を描いた著書はほとんどなく、彼の著書はベスト・セラーを記録し、フランス語、オランダ語などに翻訳され多くの人に読まれました。その後も黒人というだけで人権を蹂躙する奴隷制の廃止を訴え、アメリカ中を回り講演活動を続けました。

ちなみに、最近話題になったアカデミー賞候補映画「それでも夜は明ける」の原作、ソロモン・ノーサップの書いた実話、「12年の奴隷生活(12 Yeas A Slave)が刊行されたのはその約8年後の1953年です。

アメリカの学校では必ず歴史の時間にフレデリック・ダグラスのことを学びます。日本の教科書に書かれているかどうか知りませんが、ブラック・コミュニティーでは常識。彼の功績を讃えて、フレデリック・ダグラスの名前にちなんだ学校や美術館、図書館、各教育設備、道路などが巷に溢れています。

フレデリック・ダグラスの故郷、メリーランドを訪ねて

The Academies at Frederick Douglass High School (Baltimore)
フレデリック・ダグラス・ハイスクール

フレデリック・ダグラスの名前を冠した施設の中でも有名なのがメリーランド州のバルチモア市にある高校、フレデリック・ダグラス・ハイスクールです。

Frederick Douglass High School in Baltimore

Frederick Douglass High School in Baltimore
(2301 Gwynns Falls Parkway, Baltimore, Maryland 21217)

設立は1883年、黒人の子供たちの教育機関としてスタートし、1920年代になってから、フレデリック・ダグラスにちなみ、学校名を改めました。 全米で一番古いアフリカン・アメリカンのための高校です。由緒ある学校でしたが、最近は生徒たちの学力があまり振るわず、名前負けなのでは…….という声も聞かれるとか。卒業生にはドゥルー・ヒルのメンバー、ジャズがいます。

Jazz (far left)

Jazz (far left)


Frederick Douglass – Isaac Myers Maritime Museum (Baltimore)
フレデリック・ダグラス/アイザック・マイヤーズ海洋博物館

バルチモアの港、フェルズ・ポイントにフレデリック・ダグラス/アイザック・マイヤーズ海洋博物館というのがあります。ついこの前、ここに行ってきました。

Frederick Douglass - Isaac Myers Maritime Park

Frederick Douglass – Isaac Myers Maritime Park

ごくありきたりな歴史博物館だろうとあまり期待もせずに行ったのですが、想像していたものとは大違い。まず、建物がモダンで素晴らしくてびっくり。展示内容も「奴隷」というよりは、フレデリック・ダグラスの造船技術者としてのスキルに焦点を当てていて、まさに海洋博物館なのです。1800年代のバルチモアの歴史はもちろん、造船技術の発達など興味深い展示物がたくさんありました。館内のバイブも良く、気持ちよい空間です。入場料5ドルの価値あり。

Waterfront Kitchen
ウォーターフロント・キッチン

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Waterfront Kitchen

博物館の一階にあるレストラン、「ウォーターフロント・キッチン」はバルチモアの港が一望でき、最高の眺めです。フィレ・ミニォン、パスタのほか、有名なクラブ・ケーキもあります。スペシャル・イベント会場もあり、結婚式場としてとても人気があるそうです。

Screen Shot 2014-02-16 at 5.20.50 PM

Maryland crab cakes

Frederick Douglass – Isaac Myers Maritime Museum
Waterfront Kitchen

1417 Thames Street, Baltimore, Maryland 21231
Tel: (410) 685-0295

12 イヤーズ・ア・スレイヴ(それでも夜は明ける)/12 Years A Slave – イギリス製作の「奴隷映画」絶賛!

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「12 Years A Slave(12イヤーズ・ア・スレイヴ)〜それでも夜は明ける」オスカー受賞、3/7日本公開!

「12年間の奴隷生活(正式日本タイトルは「それでも夜は明ける」)」という映画が今アメリカで公開中、話題になっています。脚本は、実際に奴隷を体験した黒人、ソロモン・ノーサップの自伝「12 Years A Slave 」に基づいています。

時は1841年、アメリカ北部の自由人だった33歳の黒人、ヴァイオリニストのソロモン・ノーサップは白人に騙されて南部に奴隷として売られてしまいます。

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