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Amy Ruth’s Home Style Southern Cuisine エィミー・ルース南部のおふくろの味

Amy Ruth’s Home Style Southern Cuisine
113 West 116th Street, near Lenox Avenue
Harlem, New York 10026 MAP
(212) 280-8779
http://www.amyruthsharlem.com/

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南部のソウル・フードを、ハーレムで再現! エィミー・ルース

ハーレムが誇るソウル・フードのお店「エィミー・ルース」に行ってきました。日曜日のブランチはゴスペル・チャーチを訪れるツーリストたちでいっぱいです。外に長〜い行列ができます。

ここのメニューにはハーレムにゆかりのある有名人の名前がついています。一番人気のあるフライド・チキンのセット$13.95 はThe President Barack Obama 、アメリカの大統領の名前がついています。もちろん、オバマ大統領もここで食事をしたことがあるからです。チキン・ウィングス $13.95 はアルバムのタイトル(Chicken ‘N’ Beer)にしてしまうほどチキン好きなラッパーのルーダクリスにちなみ The Ludacris と命名されました。

Fried Whiting Fish and Barbecue Ribs @ Amy Ruth’s

私が注文した白身魚のフライ・セット$13.95 はなぜかThe Afrika Bambatta という名前がついていました…….? 他にもサーモンのコロッケは The Kid Capri 、チキン&ワッフル$10.95 はThe Rev. Al Sharpton………。知っている人の名前もみつけました。The Guy Woods & Shay Barnett ($9.95),ガイはハーレム出身のデザイナーで、90年代に5001フレーヴァーという服のブランドで一世を風靡した人です。最近、ハーレムのレノックス・アベニューに新しいメンズ・ブティック、「ハーレム・ハバダシャリー」をオープンして地元で話題になっています。このメニューはバナナとピーカン(胡桃)がのったワッフルでシナモンがかかっています。「なぜこれにガイと奥さんシェイの名前がついているの」と聞いたところ、本人も「よくわからない」という答えでした。

Friendly wait staff @ Amy Ruth’s

また最近マンハッタン中で人気急上昇のチキン&ワッフルですが、ここのが最もオーセンティックなチキン&ワッフルとして知られています。

南部料理は、レノックス・アベニューの126丁目にあるソウル・フードの老舗「シルヴィア‘ズ」のほうが有名ですが、味、サービスの点では「エィミー・ルース」のほうが私は好きです。開店当初、1998年は小さなオフクロの味的ソウル・フード・レストランでしたが、口コミや観光客の激増にともない店舗を拡張、さらに二階にもスペシャル・ルームを設け、さまざまな客のニーズに対応しています。

週末は混み合うので待つのがいやな人は平日に行くことをおすすめします。場所は地下鉄2か3の116丁目駅のすぐそば。

Dining Room @ Amy Ruth’s

(伊藤弥住子)

元祖ソウル・フード・ママ、シルヴィア他界 Queen of Soul Food, Sylvia Woods Dies at 86

Sylvia Woods at Sylvia’s

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ハーレムの127丁目にあるソウル・フード・レストラン、「シルヴィアズ」創始者、シルヴィア・ウッズさんが亡くなりました。家族の人の話によると、80を迎えたのを機にレストラン業を引退し、ここ数年はアルツハイマー病を発症し療養中だったとのこと。86歳でした。

シルヴィアさんは南部、サウス・キャロライナの出身で、ニューヨークに出稼ぎに出た母親を頼って上京、ハーレムの小さなランショネット(ダイナー)でウェイトレスとして働き始めました。両親のもつ実家の農場を担保に銀行でお金を借りてその店を買い取り、「シルヴィアズ」と名づけソウル・フードのレストランとして事業を始めたのは1962年のこと。

Herbert and Sylvia Woods with her daughter Bedelia at Sylvia’s Restaurant in 1973

近くには有名なアポロ劇場があり、公演中のジェームス・ブラウン、サム・クック、グラディス・ナイト、ダイアナ・ロス、ロバータ・フラック、などエンターティナーたちも足繁く通い、ジェシー・ジャクソン、ディヴィド・ディンキンスなど有力者たちのミーティングの場所に使われるなど、「シルヴィアズ」はまさに、黒人コミュニティーの集会所の役割を果たしていたといいます。オバマ大統領がアル・シャープトンを誘って食事に行ったりして話題になったこともあります。近年はビル・クリントン元大統領やマイケル・ブルームバーグNY市長など白人の政治家たちの間でもシルヴィアさんのおふくろの味は浸透していたようです。オープン当初はテーブルが5つ、カウンター15席とこじんまりしていましたが現在は250席以上、いつも地元民や観光客で賑わっています。

President Obama and Al Sharpton

私がニューヨークに来たのは1983年ですが、その当時も「シルヴィアズ」はすでにソウル・フードのメッカとしてハーレムのナンバー・ワン観光スポットでした。スポーツ選手やR&Bアーティストなど有名人を見かけることもよくありました。オーナーのシルヴィアさんのほか、息子や娘などファミリーがみんなで切り盛りしているお店で、シルヴィアさんの暖かいサザン・ホスピタリティ(故郷のおもてなし)には誰もが魅了されました。

私はフライド・チキンやスペア・リブといった肉料理やマカロニ・チーズなどのこってりした食べ物が苦手なのでもっぱらサーモン・コロッケを注文していました。付け合せにはカラード・グリーン、ポテト・サラダなど。シルヴィア・ママご自慢のコーン・ブレッドも私たち日本人にはちょっと甘すぎるような気がしますが…….。

Sylvia’s Fried Chicken, mash potatoes and mac&cheese

シルヴィア・ウッズさんのコミュニティーへの貢献を讃え、ブルームバーグ市長より賞を授与される矢先の訃報だったそうです。

シルヴィアさんの葬儀は25日水曜日朝11時から、グレース・バプティスト・チャーチで行われる予定です。

伊藤弥住子