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プリンス追悼!Remembering Prince: June 7, 1958 – April 21, 2016

 

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В возрасте 57 лет умер певец Принс

4月21日木曜日、プリンスが亡くなったというニュースは世界中を駆け巡りました。朝10:07、ミネソタ州、ペィズリー・パーク内のレコーディング・スタジオのエレベーターの中でプリンスが息を引き取ったという正式発表はみなさんすでにご存じのことと思います。ハーレムのアポロ劇場でも看板に「プリンス追悼」のメッセージが表示され、地元の人たちが次々にお別れの挨拶をしに訪れました。

Prince - Apollo

ブルックリンでも、その日の夕方、映画監督のスパイク・リーが自社「40エィカーズ&ア・ミュール」のオフィスのあるサウス・エリオット・プレースでプリンスを偲ぶブロック・パーティーを開催しました。ナズ、トライブなどとコラボしたことのあるDJ、Jピリオドが音楽を担当、プリンスのヒット曲をメドレーでかけ、天才ミュージシャン、プリンスの音楽に酔いしれました。それにしても、”Nasty Girl,” “Let’s Go Crazy,” to “1999,” “Kiss,”  “When Doves Cry,”など、大ヒット曲だらけ……..。フィナーレはみんなが大好きな”Purple Rain”で盛り上がったようです。

Prince 1999プリンスが、1999年、クライヴ・ディヴィスのレーベル、アリスタ・レコーズに移籍した際にニューヨークでインタビューをしたことがあります。エホバの証人の熱心な信者だったプリンス、音楽の話はそっちのけで「神」について長々と語りました。昔のことなのでうろ覚えですが、自分の音楽の才能も神から授かった…….というようなことを言っていたような記憶があります。そして、ワーナー・ミュージックとマスターの権利を巡っての訴訟争いについて、自分がクリエイトした音楽を他の人間が所有するというのは神の意志に反する…….といったようなことも言っていました。10年ほど前に日本のTV用の取材の時、プリンスを近くで見るチャンスがあったのですが、肌がキレイで髪がつやつやだったのがとても印象的でした。きっと、美容に気を遣っていたのだと思います。

プリンスはライヴに定評があります。アーティストはそれぞれ個性的な演出をしますが、プリンスは特別です。天井から宙づりになって降りてきたり、サーカスまがいのパフォーマンスで観客の注意を引く、といった安っぽいやり方はしません。シャカ・カーンをサプライズ・ゲストで呼んでジャム・セッションをやるとか、ステージを会場の真ん中に設置して、自分がくるくる360度回転して、どこの席にいるオーディンスをも楽しませる…….とか。(後ろ姿でもファンキーなんです。)あくまでも音楽が主役、そういうステージ構成を考えるプリンスが私は大好きです。アーティストの中のアーティスト、それがプリンスです。その証拠に、プリンスのコンサートはかなりアーティスト率が高いのです。ニューヨークで見た時はアイザック・ヘイズ(まだ元気だった時です)やトライブのQティップ、クエスト・ラヴ等に遭遇、アトランタ公演の時はTLCのボズが私の前の席に座っていました。

(合掌)

伊藤 弥住子

[Black History Month]マルコムXミュージアム主催特別パネル・ディスカッション

Malcolm X

Malcolm X

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Black History Month
The Malcolm X Museum Presents Its Annual Commemoration of the Anniversary of the Assassination of Malcolm X / El-Hajj Malik El-Shabazz

マルコムXミュージアム主催特別パネル・ディスカッション

221日(木)630分−9時まで

@ Schomburg Center for Research in Black Culture
Malcolm X Blvd. & 135th Street, Harlem, NY   MAP

毎年2月はブラック・ヒストリー月間、全米でさまざまなイベントが開催されます。特に黒人公民権運動のために闘ったブラック・リーダーたちの活動の場だったニューヨークでは記念行事が目白押し。なかでも重要なのは毎年ハーレムのショーンバーグ・センターで行われている「マルコムXミュージアム」と題するパネル・ディスカッションです。

マルコムXが暗殺されたのは1965年2月21日、X没後48年になります。今回のテーマは「最近のメディア文化と黒人社会におけるその影響」、映画やテレビで取り上げるブラックのイメージに焦点を当てるようです。最近公開されたジェイミー・フォックス、レオナルド・デカプリオ共演映画、「ジャンゴ・アンチェインド」の 黒人奴隷の取り上げ方をめぐる論争がきっかけでこういったテーマを取り上げることにしたようです。そもそもの発端は映画監督スパイク・リーの怒りの発言でした。映画「Django Unchained」のシーンで黒人奴隷に向かって白人が「ニガー」という言葉を連発、それに憤りを感じたスパイク・リーが「差別だ、祖先への侮辱だ!こんな映画はボイコットすべき。」と騒ぎ立てたのです。確かにメディは非常に大きなパワーを持っています。私たちは知らず知らずの間に洗脳されています。

「メディアというのはこの地球上で最もパワフルだ。無罪でも有罪にすることができるし、また有罪を無罪にすることも可能だ。これはパワー以外のなにものでもない。多くの人の心を操ること、それがパワーだから。」 故マルコムXの言葉にも要約されています。

パネリストにはインディーのフィルム・メーカー、Dami Akinnusiコネチカット大学の教授、Jelani Cobb, イメージネイション・シネマ(ImageNation Cinema Foundation) 経営、Moikgantsi Kgamaを迎える予定です。いったいどんな展開になるのか…….乞うご期待。

参加費は無料ですが、すでに申込者数がキャパシティを上回りソールド・アウトとなっていますが、キャンセルがでる可能性が高いので直接会場に行ってみる価値あり、です。問い合わせ先(212)340-9502

マルコムXミュージアムというタイトルのレクチャーですが、マルコム本人と関係のある議論を繰り広げるのかとても興味津々。追ってレポート致します。

ところで、マルコムXって一体どんな人だったのでしょう。それも次回取り上げたいと思います。

(伊藤弥住子)

ディアンジェロ、遂に登場!!BETアワード レポート

D’Angelo at BET Awards 2012

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7月1日の日曜日、ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで行なわれた BET Awards はサミュエル・ジャクソンの司会で、なんと4時間にわたってTV放映されました。映画監督のスパイク・リーとコンビを組んでラップをしたり、コメディアンのケヴン・ハートとスキットをやったり、これまで犯罪者やコワもての役ばかりこなしてきたサミュエルにとっては新たなファンを獲得するよい機会に恵まれたようです。

Samuel Jackson at BET Awards 2012

この日のハイライト(私たちR&Bファンにとって)はディアンジェロのライヴ・パフォーマンス。12年前に比べると少し体格が立派になっていましたがファンキーな歌声に翳りは全くありません。2000年のヒット曲、「Untitled (How Does It Feel)」、そしてキーボードを弾きながらファンキーな新曲、「シュガー・ダディー」を披露してくれました。関係者の話では、しばらく一線から離れていたせいでだいぶ太ってしまったらしいのですが、このカムバックに向けて必死のダイエットに励み、体重ピーク時より20キロの減量に成功したのだそうです。

哀しいのは功労賞を受賞したフランキー・ビバリー&メイズ。芸能生活35年と、さすがにベテランの風格はあるのですが、なにせ声が枯れてしまって聴いているほうが辛くなるくらい。サポート役のジョー、タイリースの力をかりても補えないほどの衰えぶりに胸が痛くなりました。4、5年前にライヴを観た時にも声にあまりハリがなかったので心配だったのですが…….、そろそろ限界なのでしょうか。寂しい限りです。

2012 BET 大賞、ビヨンセ、クリス・ブラウン、カニエ・ウエスト、ジェイZ等が受賞!

Beyonce, Jay Z & Kanye, Kim

この晩の授賞式では最多ノミネート、カニエの7部門、ビヨンセの6部門が話題になりましたが、実際の受賞数は、カニエ、ビヨンセ、ジェイZ、クリス・ブラウン、それぞれ2つづつお持ち帰りしました。最前列にジェイZ、ビヨンセ夫妻、カニエ・ウエストとキム・カダーシアンの熱々カップルが着席、ステージから会場を映すたびに彼等の姿がTVカメラに収められていました。

ビヨンセは堂々「ベストR&Bアーティスト」に選ばれ、「先輩のローリン・ヒル、メアリーJブライジ、そして私にとっての天使、ホィットニー・ヒューストンにとても感謝しています。」とスピーチをしました。

母、シシー・ヒューストンによる、娘、ホィットニー・ヒューストン追悼スペシャルではマライア・キャリー、ブランディー、モニカなどの女性陣が今は亡きホィットニーの曲を捧げ、大御所のシャカ・カーンが「アウム・エヴリ・ウーマン」をソウルフルに歌い上げました。ホィットニーがこの曲をカヴァーしたことはよく知られています。

Mariah Carey – BET Awards 2012

他にもニッキー・ミナージ、アッシャー、ジェイミー・フォックス、2チェーンズ、ウィロー・スミス、リック・ロス、ヨランダ・アダムスなどゲストが盛りだくさんな豪華なショーとなりました。

グラミー賞も同様ですが、ロサンゼルスで開催される各アワード賞はニューヨーク時間の夜8時に放送されます。つまり、3時間早いロスではまだ夕方5時なのです。ところがロスで実際にTV放映されるのはローカル・タイムの8時とNYより3時間遅れ。この間、編集が入ってまずい箇所をカットしたりするのでLAとNYとは多少内容が違うというのも稀ではないようです。全米同時に放映すればいいのに…..と思うのですが、やはり特別な理由があるのでしょう。

伊藤弥住子