7月1日の日曜日、ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで行なわれた BET Awards はサミュエル・ジャクソンの司会で、なんと4時間にわたってTV放映されました。映画監督のスパイク・リーとコンビを組んでラップをしたり、コメディアンのケヴン・ハートとスキットをやったり、これまで犯罪者やコワもての役ばかりこなしてきたサミュエルにとっては新たなファンを獲得するよい機会に恵まれたようです。
この日のハイライト(私たちR&Bファンにとって)はディアンジェロのライヴ・パフォーマンス。12年前に比べると少し体格が立派になっていましたがファンキーな歌声に翳りは全くありません。2000年のヒット曲、「Untitled (How Does It Feel)」、そしてキーボードを弾きながらファンキーな新曲、「シュガー・ダディー」を披露してくれました。関係者の話では、しばらく一線から離れていたせいでだいぶ太ってしまったらしいのですが、このカムバックに向けて必死のダイエットに励み、体重ピーク時より20キロの減量に成功したのだそうです。
哀しいのは功労賞を受賞したフランキー・ビバリー&メイズ。芸能生活35年と、さすがにベテランの風格はあるのですが、なにせ声が枯れてしまって聴いているほうが辛くなるくらい。サポート役のジョー、タイリースの力をかりても補えないほどの衰えぶりに胸が痛くなりました。4、5年前にライヴを観た時にも声にあまりハリがなかったので心配だったのですが…….、そろそろ限界なのでしょうか。寂しい限りです。
2012 BET 大賞、ビヨンセ、クリス・ブラウン、カニエ・ウエスト、ジェイZ等が受賞!
この晩の授賞式では最多ノミネート、カニエの7部門、ビヨンセの6部門が話題になりましたが、実際の受賞数は、カニエ、ビヨンセ、ジェイZ、クリス・ブラウン、それぞれ2つづつお持ち帰りしました。最前列にジェイZ、ビヨンセ夫妻、カニエ・ウエストとキム・カダーシアンの熱々カップルが着席、ステージから会場を映すたびに彼等の姿がTVカメラに収められていました。
ビヨンセは堂々「ベストR&Bアーティスト」に選ばれ、「先輩のローリン・ヒル、メアリーJブライジ、そして私にとっての天使、ホィットニー・ヒューストンにとても感謝しています。」とスピーチをしました。
母、シシー・ヒューストンによる、娘、ホィットニー・ヒューストン追悼スペシャルではマライア・キャリー、ブランディー、モニカなどの女性陣が今は亡きホィットニーの曲を捧げ、大御所のシャカ・カーンが「アウム・エヴリ・ウーマン」をソウルフルに歌い上げました。ホィットニーがこの曲をカヴァーしたことはよく知られています。
他にもニッキー・ミナージ、アッシャー、ジェイミー・フォックス、2チェーンズ、ウィロー・スミス、リック・ロス、ヨランダ・アダムスなどゲストが盛りだくさんな豪華なショーとなりました。
グラミー賞も同様ですが、ロサンゼルスで開催される各アワード賞はニューヨーク時間の夜8時に放送されます。つまり、3時間早いロスではまだ夕方5時なのです。ところがロスで実際にTV放映されるのはローカル・タイムの8時とNYより3時間遅れ。この間、編集が入ってまずい箇所をカットしたりするのでLAとNYとは多少内容が違うというのも稀ではないようです。全米同時に放映すればいいのに…..と思うのですが、やはり特別な理由があるのでしょう。
伊藤弥住子