
Sylvia Woods at Sylvia’s
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ハーレムの127丁目にあるソウル・フード・レストラン、「シルヴィアズ」創始者、シルヴィア・ウッズさんが亡くなりました。家族の人の話によると、80を迎えたのを機にレストラン業を引退し、ここ数年はアルツハイマー病を発症し療養中だったとのこと。86歳でした。
シルヴィアさんは南部、サウス・キャロライナの出身で、ニューヨークに出稼ぎに出た母親を頼って上京、ハーレムの小さなランショネット(ダイナー)でウェイトレスとして働き始めました。両親のもつ実家の農場を担保に銀行でお金を借りてその店を買い取り、「シルヴィアズ」と名づけソウル・フードのレストランとして事業を始めたのは1962年のこと。

Herbert and Sylvia Woods with her daughter Bedelia at Sylvia’s Restaurant in 1973
近くには有名なアポロ劇場があり、公演中のジェームス・ブラウン、サム・クック、グラディス・ナイト、ダイアナ・ロス、ロバータ・フラック、などエンターティナーたちも足繁く通い、ジェシー・ジャクソン、ディヴィド・ディンキンスなど有力者たちのミーティングの場所に使われるなど、「シルヴィアズ」はまさに、黒人コミュニティーの集会所の役割を果たしていたといいます。オバマ大統領がアル・シャープトンを誘って食事に行ったりして話題になったこともあります。近年はビル・クリントン元大統領やマイケル・ブルームバーグNY市長など白人の政治家たちの間でもシルヴィアさんのおふくろの味は浸透していたようです。オープン当初はテーブルが5つ、カウンター15席とこじんまりしていましたが現在は250席以上、いつも地元民や観光客で賑わっています。

President Obama and Al Sharpton
私がニューヨークに来たのは1983年ですが、その当時も「シルヴィアズ」はすでにソウル・フードのメッカとしてハーレムのナンバー・ワン観光スポットでした。スポーツ選手やR&Bアーティストなど有名人を見かけることもよくありました。オーナーのシルヴィアさんのほか、息子や娘などファミリーがみんなで切り盛りしているお店で、シルヴィアさんの暖かいサザン・ホスピタリティ(故郷のおもてなし)には誰もが魅了されました。
私はフライド・チキンやスペア・リブといった肉料理やマカロニ・チーズなどのこってりした食べ物が苦手なのでもっぱらサーモン・コロッケを注文していました。付け合せにはカラード・グリーン、ポテト・サラダなど。シルヴィア・ママご自慢のコーン・ブレッドも私たち日本人にはちょっと甘すぎるような気がしますが…….。

Sylvia’s Fried Chicken, mash potatoes and mac&cheese
シルヴィア・ウッズさんのコミュニティーへの貢献を讃え、ブルームバーグ市長より賞を授与される矢先の訃報だったそうです。
シルヴィアさんの葬儀は25日水曜日朝11時から、グレース・バプティスト・チャーチで行われる予定です。
伊藤弥住子
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