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Brunch In Harlem [3] サザン・コンフォート・フード@エイミー・ルースAmy Ruth’s Best Chicken & Waffles!

chickenandwaffle

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サザン・コンフォート・フード

ニューヨークで流行っているブランチ・スポット(クリントン・ベーキング・カンパニー、スタントン・ソーシャル…..etc.)の定番メニューとして目立つのが今回ご紹介するフライド・チキン&ワッフルです。実はこのチキン&ワッフルはサザン・コンフォート・フードの代表格になりつつあります。

ソルティーなチキンと甘いワッフルの組み合わせはちょっと反則、と思うかもしれませんが、これが意外に美味しくて日本人のファンも増えています。

エィミー・ルースの美味しさの秘密

NYで一番おいしいと評判の「エィミー・ルース」の Chicken & Waffles を食べてみたらやみつきになることうけあい。確か、1998年のオープン当初よりメニューにあったと記憶しています。ワッフルの上のフライド・チキンが乗っている姿には一瞬ドキリとしますが、大丈夫。ここのワッフルはこんがりと焼き色がついた、外側がカリッとして中はふんわり、ベルジャン・ワッフルとパンケーキとの中間のような食感がたまりません。カラりと揚がったチキンの皮の上からメィプル・シロップをたらし、ナイフを入れるとジューっと肉汁がほとばしります。肉汁とシロップが混ざり合ってワッフルにしみ込んだところをパクっとかぶりついて頂きましょう。美味しさの秘密は「100% Pure Maple Syrup」にあります。鶏肉とワッフルのふたつのフレーヴァーを調和させる重要な使命を果たすのがメィプル・シロップなのです。お店によってはまがい物のシロップを使っているところもあるので要注意!「エィミー・ルース」のメニューには「うちは100パーセント本物のメィプル・シロップを使っています」と書いてあります。

amyruths

チキン&ワッフルの歴史

今ではソウル・フードの代名詞のようになってしまった「フライド・チキン&ワッフル」ですが、その発祥の歴史は定かではありません。18世紀にトーマス・ジェファーソンがフランスで購入したワッフルを焼く器具を持ち帰って広めたという説や、朝食にフライド・チキンとパンを食べていたのがその代用としてちょっと贅沢なワッフルとの組み合わせになったという説………。当時、南部の奴隷たちは主人の残り物の肉(豚足や内蔵)や野菜を煮込むなど料理を食べていました。それがソウル・フードの原型になりました。基本は主人の食べ残しやトウモロコシなどですが、ホリデーやスペシャルな日には鶏をもらうこともあったといいます。フライド・チキンはたいへんなご馳走だったようです。日曜日の朝、教会のミサのあとチキンとワッフルを食べるのが定着した、という説もあるようです。

ウェルズ・サパー・クラブ

レストランのメニューに加わるようになったのは、どうやら1920〜30年代のハ−レム・ルネッサンスの頃のようです。その頃ハーレムで有名だった「ウェルズ・サパー・クラブ」では、ブレックファースト、ランチ、ディナーをやっていて、ディナー用に作り置きしていたフライド・チキンが売れ残って困っていました。必要は発明の母、残りもののフライド・チキンを深夜のメニューとして登場させることを思いつきました。さらに、深夜にもはけなかったチキンを朝食用にワッフルとのセットでだしたところ意外なカップリングが大評判になり、ハーレム住民の間で親しまれるようになったそうです。

アル・シャープトン

そんな歴史をちらりと振り返りつつ「エィミー・ルース」の人気ブランチ・メニュー、フライド・チキン&ワッフルをお楽しみ下さい。ちなみに、ここのメユーには地元ハーレムの著名人の名前がついています。チキン&ワッフルは「アル・シャープトン」、次期大統領候補にもなるほどリスペクトされている黒人公民権運動の活動家です。

sunrise

*ハーレムでしか味わえないスペシャルな飲み物、「サンライズ」もお試し下さい。オレンジ・ジュース、レモネード、それにクールエイドをミックスした超カラフルで甘〜いジュース。ハーレムの夏の思い出に……。

(レポート:伊藤弥住子 シェリーめぐみ)

More brunch spots in Harlem

Amy Ruth’s Home Style Southern Cuisine エィミー・ルース南部のおふくろの味

Amy Ruth’s Home Style Southern Cuisine
113 West 116th Street, near Lenox Avenue
Harlem, New York 10026 MAP
(212) 280-8779
http://www.amyruthsharlem.com/

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南部のソウル・フードを、ハーレムで再現! エィミー・ルース

ハーレムが誇るソウル・フードのお店「エィミー・ルース」に行ってきました。日曜日のブランチはゴスペル・チャーチを訪れるツーリストたちでいっぱいです。外に長〜い行列ができます。

ここのメニューにはハーレムにゆかりのある有名人の名前がついています。一番人気のあるフライド・チキンのセット$13.95 はThe President Barack Obama 、アメリカの大統領の名前がついています。もちろん、オバマ大統領もここで食事をしたことがあるからです。チキン・ウィングス $13.95 はアルバムのタイトル(Chicken ‘N’ Beer)にしてしまうほどチキン好きなラッパーのルーダクリスにちなみ The Ludacris と命名されました。

Fried Whiting Fish and Barbecue Ribs @ Amy Ruth’s

私が注文した白身魚のフライ・セット$13.95 はなぜかThe Afrika Bambatta という名前がついていました…….? 他にもサーモンのコロッケは The Kid Capri 、チキン&ワッフル$10.95 はThe Rev. Al Sharpton………。知っている人の名前もみつけました。The Guy Woods & Shay Barnett ($9.95),ガイはハーレム出身のデザイナーで、90年代に5001フレーヴァーという服のブランドで一世を風靡した人です。最近、ハーレムのレノックス・アベニューに新しいメンズ・ブティック、「ハーレム・ハバダシャリー」をオープンして地元で話題になっています。このメニューはバナナとピーカン(胡桃)がのったワッフルでシナモンがかかっています。「なぜこれにガイと奥さんシェイの名前がついているの」と聞いたところ、本人も「よくわからない」という答えでした。

Friendly wait staff @ Amy Ruth’s

また最近マンハッタン中で人気急上昇のチキン&ワッフルですが、ここのが最もオーセンティックなチキン&ワッフルとして知られています。

南部料理は、レノックス・アベニューの126丁目にあるソウル・フードの老舗「シルヴィア‘ズ」のほうが有名ですが、味、サービスの点では「エィミー・ルース」のほうが私は好きです。開店当初、1998年は小さなオフクロの味的ソウル・フード・レストランでしたが、口コミや観光客の激増にともない店舗を拡張、さらに二階にもスペシャル・ルームを設け、さまざまな客のニーズに対応しています。

週末は混み合うので待つのがいやな人は平日に行くことをおすすめします。場所は地下鉄2か3の116丁目駅のすぐそば。

Dining Room @ Amy Ruth’s

(伊藤弥住子)