ブラック・ヒストリー・マンスに見ておきたいオスカーノミネート作品「I AM NOT YOUR NEGRO」A Black History Lesson for All

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Black History Month 2月はブラック・ヒストリー・マンスです。
「黒人の歴史、といってもどこから入っていいのかわからない」という人に是非見てほしいのが、先週金曜日から公開された映画、「I Am Not Your Negro’ 」です。
1950年代に作家としてデビューした、ジェームス・ボールドウィンのドキュメンタリー映画が ‘I Am Not Your Negro’

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私生活でも交流のあった、メドガー・エヴァース、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師、そしてマルコムXの3人の代表的な公民権運動家たちをボールドウィンの視点でとらえたユニークな発想の内容です。

南部、ミシシッピー出身の公民権運動アクティヴィストのメドガー、非暴力主義の聖職者マーティン、急進的なムスリムのマルコム、いずれも背景やアプローチこそ違いましたが、ゴールは同じ、「人種差別撤廃」のために生涯をかけて闘った人たちでした。そして、3人とも30代で暗殺されています。ボールドウィンの生の声を通して、1960年代の黒人人種差別の実態や、彼らの葛藤が伝わってきます。

martin-luther-king-ftr「アメリカの歴史は黒人の歴史、しかも決して美しい姿とは言えない。ボールドウィンが残した言葉は、まるでこの映画を集約しているかのようです。

(FILE PHOTO) On February 21 it will be the 50th Anniversary of the Assassination Of Malcolm X. ROCHESTER, NY - FEBRUARY 16: Former Nation Of Islam leader and civil rights activist El-Hajj Malik El-Shabazz (aka Malcolm X and Malcolm Little) poses for a portrait on February 16, 1965, in Rochester, New York. (Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images)

(FILE PHOTO) On February 21 it will be the 50th Anniversary of the Assassination Of Malcolm X. ROCHESTER, NY – FEBRUARY 16: Former Nation Of Islam leader and civil rights activist El-Hajj Malik El-Shabazz (aka Malcolm X and Malcolm Little) poses for a portrait on February 16, 1965, in Rochester, New York. (Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images)

この映画の脚本は、ボールドウィンの未完の作品「Remember This House」の原稿を基に、ハイチ生まれの映画監督、ラウル・ペックが制作しました。もし、完成すれば間違いなく傑作となったはずの作品ですが、残念ながら、30ページ書きかけてボールドウィンは1987年、パリの自宅で亡くなりました

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ゲイであることを否定しなかったジェームス・ボールドウィン、1948年、差別を逃れるため、24歳の時アメリカを離れパリに移住しました。そこで、二作目の小説「ジョヴァンニの部屋 (Giovanni’s  Room)」を執筆、56年に出版されました。主人公のアメリカ人、ディヴィッドはパリ在住、ガールフレンドと別れ、自分がゲイであることを発見します。ディヴィッドはゲイ・バーで知り合ったイタリア人の男、ジョヴァンニと関係を持ちます。ほんの限られた時間しか過ごせない二人の男たち…….。ホモセクシュアルのライフスタイルが赤裸々に描かれたこの小説は、アメリカで大センセーションを巻き起こしました。

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「ゲイで黒人作家、致命的だよね。」とボールドウィンは笑います。「アメリカには何の未練もない。ホットドッグもハンバーガーも恋しくない。」とパリ永住を決めていたボールドウィンですが、キング牧師たちが黒人差別撤廃運動で闘っているさなか、自分が何もしないのはいても立ってもいられない、というので1963年に一時帰国し、あの有名なワシントンのマーチに参加しています。

ボールドウィンの各地での演説や、人気テレビ番組「ディック・カヴェット・ショー」にゲスト出演した時の映像などを通して、彼自身の言葉を聞くことができます。ドキュメンタリーの進行役は俳優のサミュエル・L・ジャクソンで、ボールドウィンが書き残した原稿を読み上げてゆくという構成。ダミ声でワルな感じの役柄が多いジャクソンですが、ボールドウィンを語るのにふさわしい、トーンを抑えた落ち着いたナレーションでストーリーをまとめ上げています。現在でもメディアに頻繁に取り上げられている、「ブラック・ライヴス・マタ―」現象と、過去の映像と織り交ぜたり、ポップ・カルチャーを登場させたり、オーディエンスを飽きさせません。

60年の長い月日の間に、どれだけ私たちは「進化」したのだろうか………、といった疑問が残りますが……。

ペック監督のこの作品はアカデミー賞のドキュメンタリー部門にもノミネートされています。他、同様な社会問題に取り組んだ、「13th(奴隷制廃止条例)」、7時間にわたる大作、「OJ: Made in America」もアカデミー候補にあがっています。厳しい選択を迫られることになりますが、十分勝算があるのでは………。

<ジェームス・ボールドウィンお薦め作品リスト>

ブラック・ヒストリー・マンス、ジェームス・ボールドウィンの小説を読んでみませんか。

お薦め作品

Go Tell It On The Mountain (1953)

Giovanni’s Room (1956)

Tell Me How Long The Train’s Been Gone (1968)

If Beale Street Could Talk (1974)

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