爆発的大人気のヒップホップTVドラマ、「エンパイア」のシリーズ第二弾がこの9月23日から放映されます。
大手レコード・レーベル「エンパイア」のオーナー、ルーシャス・リオン(Terrence Howard)とその息子3人のうち、誰が会社を継ぐかという、お家争いがテーマのソープ・オペラです。
舞台はニューヨーク。地元のドラッグ・ディーラーだったルーシャスは妻のクッキー(Taraji P. Henson)と共にハッスルして荒稼ぎしますが、警察の手入れでクッキーが逮捕され刑務所行き……。難を逃れたルーシャス、持ち前の音楽の才能を生かしてドラッグの収入を元にインディー・レーベルを立ち上げます。ヒップホップの台頭と時を同じくし、ストリート・ハスラー的なビジネス・センスでヒットを連発、彼のレーベル「エンパイア」は押しも押されぬ巨大なレコード会社へと成長しました。このあたりの背景は、90年代のデフ・ジャムのラッセル・シモンズ、バッド・ボーイのディディー、ロッカフェラのジェイZなど若くして頂点を極めたストリート・ハスラーたちを彷彿とさせます。
TVドラマ「エンパイア」はフィクションですからドラマチックな展開が用意されています。甘い成功を味わう間もなく、オーナーのルーシャスは不治の病で余命いくばくもない、と医者から宣言されます。今のうちに3人の息子の誰かに権力を委ねよう……。予期せぬタイミングでルーシャスの元妻、クッキーが17年という長いお努めを果たし刑務所から出てきます。ビッグ・レーベル、「エンパイア」の噂はもちろん獄中のクッキーにも伝わっていました。ルーシャスとの間にできた3人の息子たちも獄中の彼女に面会に来ることはほとんどありませんでした。出所したその足で、クッキーは自分が基礎を築いた「エンパイア」の元夫、ルーシャスに会いに行きます。「17年間、あたしはあんたの罪をかぶってムショで人生を犠牲にしたんだ。その代償を払ってもらおうじゃないか。」と要求を突きつけます。
「エンパイア」の成功は、クッキー・リオンにあると言われています。ブラック・コミュニティーではお馴染みのビッチーでタフでコワい女、それがクッキーです。音楽をテーマにした番組だけあって、出演者もジェニファー・ハドソンがヴォーカル・コーチ役で参加したり、大御所、グラディス・ナイトやアンソニー・ハミルトン、メアリーJブライジなど豪華ゲストが勢ぞろい。とても派手なソープ・オペラとして人気を博しました。監督の趣味でゲイやレズビアンのキャラクターを多数登場させたことも高視聴率の要因です。音楽の監修がティンバーランドというのも注目されました。
番組の放映された初日(1/7/2015)より、その評判が全米に広まり、特に舞台になっているニューヨークではすさまじい反響がありました。水曜日の夜9時、ハーレムのストリートから黒人が消える、とまで言われました。
9月23日に放映が開始されるシーズン2では、社長のルーシャスが家族の陰謀（？）で逮捕され、獄中生活を余儀なくされます。刑務所の囚人役でクリス・ロックが特別出演するとか…….。
他にも、アリーシャ・キーズ、レニー・クラヴィッツ、マライア・キャリー、ナオミ・キャンベルなど豪華ゲストが盛りだくさん。
番組のディレクターは映画「ザ・バトラー」「プレシャス」で有名になったリー・ダニエルズ。ゲイで、可愛い男の子を見るとすぐ手を出すことで知られるダニエルズの評判を聞いて、出演を辞退する俳優・アーティストも多いとか。アプローチされて断ったとされるのは、トレイ・ソングズ、そして意外にもPディディーも、息子のクィンシーの出演依頼を蹴ったりと、番組に関わることを避けているとか…….。それどころか、「エンパイアはバッド・ボーイのパクリだ。オレの物語そのもの。勝手に人のライフ・スタイルをTV化するなんて許せない。訴えてやる。」と鼻息が荒いとか……….。今シーズンも話題になりそうです。
9:00pm, Wednesday, 9/23 on Fox
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