ブラックセレブ御用達:一世を風靡した南部料理レストラン「Jezebel 」オーナー、アルバータ・ライト逝去


Владелец
Soul Food Restaurant Иезавели умирает на 84

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1980年代から26年にわたってニューヨークのセレブやエンターティナーたちに親しまれたレストラン、「ジェジェベル」の経営者、アルバータ・ライトさんが金曜日、9月4日、84歳で亡くなりました。音楽業界でも「Jezebel」は大人気で、レコード会社のパーティーなどもよく開催していました。

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ミッドタウンの45丁目、9番街にあったJezebelは俳優のデンゼル・ワシントンや、ウェスリー・スナイプス等が出資していて、ニューヨーク以外にも支店を出そう、という動きもあったようです。メニューは南部のソウル・フードが中心。店内のインテリアはオーナーの出身地のサウス・キャロライナのチャールストンを再現、天井まで届く本物のヤシの木、ブランコなど…….。都会の中のレストランとしてはかなり異様な感じでしたが……。残念ながら、経営が思うようにいかず、2007年に閉店しています。

私も何度か行きましたが、特に90年代、ヒップホップが音楽の主流になってきてからは、セレブが来るお店として一世を風靡しました。近所のスタジオで作業の合間を縫って、ここ「ジェジェベル」の本格的ソウル・フードを食べにやってくる音楽関係者も多かったのです。俳優のローレンス・フィッシュバーンや、ラッパーのモス・デフ、プロデューサーのロード・フィネスなど、必ずエンターティンメント業界の人たちを見かけました。ビジネスの「出会い」も多く生まれたようです。

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そのうちのひとつが、オーナーの息子で(売れない)俳優のマイケル・ライトがハリウッド進出へのチャンスを掴んだ、というエピソードです。1990年、ハリウッドで頭角を現してきた若き監督、ロバート・タウンセンドがニューヨークに滞在中、噂に聞いた南部料理のレストラン「Jezebel」を訪れました。

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すでに1987年制作のコメディ映画、「ハリウッド・シャッフル」の大成功で、ロバート・タウンセンドの名前は映画界の人たちの間では知られていました。「ジェジェベル」の経営者の息子のマイケルは、店にやってくる業界人とネットワーキングするため、よく店に出ていました。俳優志願でちょい役でマイナー映画やTV番組に出演していたマイケル、ロバートの姿を見るとすぐ接近し、ふたりはすぐに意気投合します。普段は夜遊びはしないタウンセンドですが、その晩はナイトクラブをハシゴして、夜中の3時にマイケルのアパートにたどり着きます。そこで、マイケルが出演したという、日本の女優、樋口可南子との共演作品、際どいラヴ・シーンで騒がれた「ベッドタイム・アイズ(山田詠美原作)」を見せられた監督、すっかりマイケルの魅力のとりこになってしまい、その場で、企画中の映画、「The Five Heartbeats」の準主役、エディ役にマイケルを抜擢しました。「ザ・ファイヴ・ハートビーツ」は、実在のR&Bグループ、テンプテーションズの栄光と衰退にヒントを得た物語で、ドラッグで身を亡ぼすリード・シンガー役、エディをマイケル・ライトが見事に演じて絶賛されました。

実は、当人のマイケルの行方がどうなっているのか定かではなく、最近はクラックにはまってジャンキーになってしまったらしい、というウワサが流れているのが気になります。誰か、マイケル・ライトの近況を知っている人がいたら教えて下さい。

伊藤 弥住子

 

 

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