ソウル・シンガー、ボビー・ウォーマック死亡 Bobby Womack Dies At Age 70 (March 4, 1944 – June 27, 2014)

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6月27日、60年代より活躍したソウル・シンガー/ギタリスト、ボビー・ウォーマックがなくなりました。享年70歳。

1981年に発表したヒット曲、“If You Think You’re Lonely Now”を90年代にジョディーがカバーしてヒップホップ世代にもボビー・ウォーマックの存在が広く知られるようになりました。

1944年、オハイオ州クリーヴランド生まれ、50年代半ばにはすでに、兄弟でウォーマック・ブラザースというゴスペル・グループで活動していました。同じくゴスペル出身のサム・クックと地方公演などで共演したのをきっかけに親睦を深めてゆきます。50年代後半にはすでにスターの座をものにしたサム・クックは、まだティーンなのにディープなヴォイスを持つ存在感のあるシンガー、ボビーに興味を持ち、自分のレーベルで売り出そうと考えます。1960年、ゴスペル・グループ、「ウォーマック・ブラザース」は、よりコマーシャルな名前、「ヴァレンティーノーズ」と改名、ソウル・グループとして、サム・クックのレーベルSAR Recordsよりポップ界に正式デビューを果たします。

Bobby and Sam

Bobby and Sam

ボビー・ウォーマックはもちろんミュージシャンとしても素晴らしく、ヒット曲も多数ありますが、サム・クックが大好きな私にとって音楽面だけでなく、サムとの特別な繋がりを持っていたという意味でもとても興味のあるアーティストです。

1964年12月、ロスアンゼルスのモーテルでサム・クックが殺害されるというショッキングな事件が起こりました。バーでひっかけたフィリピン人の女性(売春婦)リサ・ボィヤーを伴い、ロスでも危険地区とされているワッツのハシエンダ・モーテルでわいせつ行為に挑もうとした矢先、トイレを使っている間にリサがモーテルの部屋から逃げ出し、あとで追いかけてきたサムがモーテルの事務所のドアを蹴破って、女マネージャーに拳銃で撃たれて死亡したというのです。サム・クック、33歳、エンターティナーとしての人気は頂点を極め、レーベル・オーナーとしてビジネスをさらに拡大しようという矢先の悲劇でした。この事件の実態は闇に包まれたまま。酔っ払って暴力的なサムをマネージャーが正当防衛のために撃ち殺したという理由は信憑性に乏しく、関係者やファンのたちにあいだで「マフィアの陰謀に違いない。」とか、「でっちあげだ!」と大きな波紋を投げかけました。

Barbara and Bobby Wowack

Barbara and Bobby Wowack

さらにショッキングだったのは、サムのお葬式から3か月もたたないうちに、29歳のサムの未亡人、バーバラとまだ21歳未満(アメリカでは未成年)のボビー・ウォーマックが結婚すると発表したことでした。サムが一番目をかけて将来有望と期待していたボビーですが、実はサムが亡くなる前からバーバラと関係があったのでは……..。サムの殺害にはボビー、さらにバーバラも加担しているのでは…………。サムの親族たちは疑いを隠しませんでした。

ギタリストとしても、歌手、ソングライターとしても才能豊かだったボビーですが、そんな怪しげなプレイベートが明るみにでたりと、前途は多難でした。ギタリストとしてアレサ・フランクリン、ジェームス・ブラウン、ジョー・テックスなどのスタジオ・セッションの仕事をこなしチャンスをうかがってきたボビーにとってブレイクとなったのは1968のソロ・デビュー・アルバム、”Fly Me To The Moon”でした。その後、“That’s the Way I Feel About Cha,” “Woman’s Gotta Have It,” “Across 110th Street”など一連のヒットでボビー・ウォーマックの実力は不動のものとなりました。

私生活では、バーバラとの仲も冷え切り、結婚5年後の1970年には離婚。その真相は、サムとバーバラの娘、リンダにボビーが手を付けたからとも言われています。その後、ボビーの弟、セシル・ウォーマックがリンダと結婚してやはり世間を驚かせています。

1990年代初期、ニューヨークでボビーのライヴを観に行ったことがあります。確か、ブルー・マジック、デルフォニックスとの共演だったと思います。急遽ボビーのショーはキャンセルというアナウンスが流れました。「急病」とのことでした。すでにコカインを常用していたことが知られていましたが、楽しみにしていたライヴが観られず、とてもがっがりしたことを覚えています。

糖尿病、癌、アルツハイマー症などを患っているという噂が昨年くらいから伝わっていましたが、とうとう70歳という現役の年齢で亡くなってしまったのはとても残念です。6/29に放映されたBET Awards 2014で、他界後2日しか経っていないのに、タイリースがボビー・ウォーマック追悼として「If You Think You’re Lonely Now」を歌ったのは凄いと感心しましたが、たった10秒、サビだけだったのはちょっとお粗末…….。

R.I.P.

伊藤弥住子

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