6月はジューンティーンス 自由を勝ち取ったお祝いの祭典/Juneteenth – African-American Emancipation Day

African American Emancipation

African American Emancipation

Juneteenth African-American Emancipation Day

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ジューンティーンスとは1865年6月19日、テキサスで発令された黒人奴隷解放宣言を記念するお祝いのことです。ジューン・ナインティーンスを省略して「ジューンティーンス」というそうです。奴隷解放は1863年1月より施行するというリンカーンの宣言で有名ですが、実際にはアメリカの全州で実施されたわけではありませんでした。最後の砦、テキサスが落ちた、その6月19日を記念して毎年ジューンティーンスを祝うようになりました。この日はピクニックやバーベキューなど、ご馳走を用意して家族ぐるみで自由を満喫するのが習わしになっているそうです。

Juneteenth Picnic

Juneteenth Picnic

そしてこのジューンティーンスを舞台にしたとても面白い小説があるので、ご紹介しましょう。

Juneteenth – a Novel by Ralph Ellison

Juneteenth - A Novel

Juneteenth – A Novel

小説 ジューンティーンス

ラルフ・エリソンという黒人作家が書いた、「ジューンティーンス」と本があります。1960年代に書かれた作品ですが、本人が亡くなった1994年以降に編纂されて出版された本なので、著者自身が「ジューンティーンス」というタイトルをつけようと考えていたのかは定かではありませんが、ジューンティーンス祭典がストーリーのハイライトとして語られているので違和感はありません。

エリート上院議員サンレイダーと黒人田舎牧師ヒックマン

物語は主人公の南部出身の黒人牧師、アロンゾ・ヒックマンが44人の信者を率いてワシントンDCの上院議員、アダム・サンレイダーのオフィスを訪れるところから始まります。年老いた田舎者の黒人牧師と同じく年老いた黒人の信者たちが、ニュー・イングランドを代表するエリート白人議員と一体何の関係があるのでしょうか……..。とても意味深でドラマチックな展開についそそられて読み進めてしまいます。

「アダム・サンレイダー上院議員に会いたい。とても重要な要件がある。」と受付で申し出たものの秘書に冷たくあしらわれ、ヒックマン一行は翌日出直す羽目に………。一刻をも争う重要なメッセージとは何なのか……….。次の場面はサンレイダー上院議員の演説です。スピーチの得意な政治家らしく、まるで教会のプリーチャーのように言葉たくみに観衆を巻き込みます。大喝采を浴びて有頂天のサンレイダー上院議員、その瞬間銃声が轟きます。標的はサンレイダーです。一体、何が起こったのでしょうか……..。

元やさぐれトロンボーン奏者、ヒックマン牧師

ここからフラッシュ・バックの連続、南部育ちの神童牧師ブリスと白人至上主義政治家のアダム・サンレイダーが同一人物で、育ての父親が元やくざなトロンボーン・プレーヤーでミュージシャンのアロンゾ・ヒックマン牧師だったという事実が解き明かされます。まだ6歳のあどけない少年、ブリスを木製の棺のようなボックスの中に寝かせ、教会の説教の一番盛り上がった時にふたを開け、ブリスがおもむろに立ち上がってキリスト復活を彷彿とさせる、というトリックが功を奏で、信者たちの間でセンセーションを巻き起こしました。「ジューンティーンス」の行われた南部(たぶんテキサス)の開催地に集まった総勢5000人を超す群衆を前に、ブリスの母親と名乗る赤毛の白人女が「この子は私の子供、カッドワース」と叫び、ブリスをさらっていきます。

ヒックマン牧師と少年ブリスとのフラッシュ・バック・シーンは教会のコール&リスポンスさながら、リズミカルに展開します。

謎の白人女

ブリスを身ごもった謎の白人女が、彼女の予期せぬ妊娠をアロンゾの牧師だった弟にレイプされたと訴えたことにより、アロンゾの弟はリンチにあい殺されてしまいます。閉鎖的で黒人差別が横行していた南部では、黒人が白人女性と目を合わせただけでも処刑された時代です。弟を無残に殺されたアロンゾはやさぐれ人生を反省、回心して神に一生を捧げようと決意します。さらに、殺したいほど憎い白人女の出産をも助け、彼女が残した私生児をブリスと名付けて育てることで弟の死が無駄ではないことを証明しようとします。

ジューンティンスの祝い

銃で撃たれたサンレイダーの余命はいくばくもありません。病院でこん睡状態に陥った上院議員のベッド脇の椅子に腰かけ、ダディ・ヒックマンはあどけない息子に語りかけるように過去を振り返ります。すっかり白人上流社会に馴染んで過去の南部の風習を忘れてしまったブリス(サンレイダー)が瀕死の床からヒックマンに「今でもジューンティーンスの祝いをする習慣は続いているのか。」と聞く場面がとても象徴的です。ブリスが母親と名乗る謎の女に連れ去られ行方不明になったのは、まさにそのジューンティーンス・セレブレーションの真っただ中だったのですから。その後のブリスの消息は不明のまま、この日、ホワイト・ハウスの政治家として大成功したサンレイダー議員との再会が最初で最後となりました。

殺人犯は「若い黒人信者」とあるだけで詳細は語られません。もし犯人を知っている人がいたら教えてください。

伊藤弥住子

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