Motown: The Musical モータウン・ザ・ミュージカル絶賛上演中![ネタバレ注意!]part-3 ダイアナ・ロス役ヴァリシア・ルケイ

Motown: The Musical Lunt-Fontanne Theatre

ダイアナ・ロス役ヴァリシア・ルケイ熱演

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「モータウン:ザ・ミュージカル」はあくまでも娯楽作品として作られています。ドキュメンタリーではないので役者が本人と似ていなかったり…..というのは大目に見ましょう。ダイアナ・ロス役のヴァリシア・ルケイの演技、歌、踊りは見物です。この役をやる前に、ブロードウェイ・ショー、「ドリーム・ガールズ」の地方公演で主役のディーナ・ジョーンズ(ダイアナ・ロス)を演じたと聞いて納得。身の振る舞いやしぐさがダイアナにそっくりなのです。ベリー・ゴーディー役のブランドン・ビクター・ディクソンも素晴らしい俳優です。とにかく歌がうまくて存在感があります。マイケル・ジャクソンは子供の頃のシーンのみですが、そのティーンの子もかなり歌えます。オリジナルのマイケル・ジャクソンとは比べ物になりませんが…….。このミュージカルを観ると、モータウン・アーティストがいかに優れたミュージシャンだったかを思い知らされます。「才能の宝庫」、それがモータウンではないでしょうか。

Motown: The Musical Lunt-Fontanne Theatreやがて世の中は黒人の公民権運動が盛んになり社会全体の政治色が強くなってゆきます。キング牧師暗殺を機に、マーヴィン・ゲイなどの社会派ソング、

”What’s Going On,” “Mercy, Mercy Me” などが注目されるようになります。大人になったスティーヴィー・ワンダーを演じる俳優のパフォーマンス、“Signed, Sealed, Delivered” は本人よりうまいのではないかと思わせるほど素晴らしくて感動しました。

Motown: The Musical Lunt-Fontanne Theatre60年代校半、次々にアーティストがメジャー・レーベルへと移籍してゆきます。モータウンのバックボーンだったプロデューサー・チーム、Holland, Dozier, Hollandも古巣を離れてゆきます。

ハリウッド移転

デトロイトで産声をあげたモータウンですが、1972年ロスアンジェルスにオフィスを移します。ダイアナ・ロスをハリウッド映画スターにしようというベリーの思惑に多くの人たちが反対しました。黒人シンガーを主人公にした「ビリー・ホリデー物語(Lady Sings the Blues)」の制作費が底をつき、ベリーの個人資産をつぎ込んで完成させるというアブナい橋を渡らざるを得なかったのです。主役を演じたダイアナは、のちにアカデミー賞ノミネート獲得という快挙を遂げました。ベリーの株は上がったかのように思えましたが、ダイアナとの関係もだんだんこじれてゆきました。

ブラック・ミュージックが一般に受け入れられるようになり、R&B産業にもメジャー・レーベルが参入してきました。アーティストのモータウン離れはさらに加速を増し、とうとう家族同然だったビッグ・ネームのマーヴィン・ゲイがコロンビアに移籍することを表明しました。「オレはアイドルでもないし、操り人形じゃない。押し付けられた音楽なんてやらない。」とマーヴィンはベリーから離れてゆきました。さらに、追い討ちをかけるようにダイアナが離別を宣言したのです。まさか……、愛が冷めてしまった今でもビジネスの関係は保てる、と信じていたベリーにとってダイアナが去ってゆくというのは強力な打撃でした。20ミリオンという当時では巨額のオファーRCAが提示したのです。ダイアナにとって世界のスターへと飛躍する絶好のチャンスでした。

ライオネル・リッチー、リック・ジェームス、ティーナ・マリー、ディバージといった若手アーティストたちが新風を吹き込んでくれたにもかかわらず、モータウンは次第にその勢いを失ってゆきます。”Brick House,” “All Night Long,” “Super Freak,” “ Square Biz,” “All This Love” 新しいモータウン・メドレーが続きます。登場するアーティストのキャラがよく出ていてあっという間に3時間経ってしまいます。

Motown Is Forever

Motown: The Musical Lunt-Fontanne Theatre最終場面はショーのオープニング、「モータウン25周年記念イベント」に逆戻り。この歴史的なイベントに出席すべきか悩んでいるベリーの姿があります。いろいろな思い出のあるモータウン。いいことばかりではありませんでした。裏切り、妬み、訴訟、裁判……..これまでの人生に疑問を感じるベリー。スモーキーが説得にきます。「ベリー、どうしても出席すべきだ。オレも間違ったことをしてきたかもしれないけど、今回だけは自信を持っていえる。ベリー、おまえは間違っている。モータウンはべリー・ゴーディーそのもの、ベリーなしにはこのショーを成功させることはできない。」

フィナーレはモータウン・アーティストが勢揃いしてヒット・メドレーで締めくくります。アッシュフォード&シンプソンの作詩作曲による名曲、Ain’t no mountain high enough, ain’t no river wide enough……….to keep me from getting to you…….とダイアナ役のヴァリシアが情熱的に歌い上げます。ベリーを演じるブランドン・ヴィクター・ディクソンが姿を表し、キャスト・メンバー全員集合して大合唱、拍手大喝采を浴びて幕が降ります。歌と踊り満載です。モータウン・ファン必見です!!

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チケット$57より

http://www.ticketmaster.com/Motown-The-Musical-tickets/artist/1776746

@ Lunt-Fontanne Theatre,
205 West 46th Street,
New York, NY
MAP

(伊藤弥住子)

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