ニーヨへの10の質問 Ne-Yo Interview by Ken Simmons

Ne-Yo R.E.D.

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ニーヨへの10の質問 ~ Ne-Yo インタビュー

ハーレム2日本のスーパーバイザーでジャーナリストのケン・シモンズが、5枚目アルバム「R.E.D.」をリリースしたばかりで大好調の Ne-Yo に独占インタビューをしました。ウェブサイト、Loop21 のための記事ですが、ハーレム2日本の音楽ファンのために特別シェアさせてくれることになりました。マイケル・ジャクソンとの共演やモータウンの副社長に任命された時の「怖い」といった心境や、もしかして、オバマと一緒にレコーディングするかも……、などなど楽しい話も満載。以下、ニーヨ・スペシャル・インタビューをお届けします。

グラミー三冠受賞アーティスト、ニーヨはオバマ大統領の熱心な支持者として知られています。そのニーヨがアメリカ大統領選挙の当日に新しいアルバム、「R.E.D. (Realizing Every Dream)をリリースしました。選挙の当日にアルバム発売を決めたのは、必ずオバマ大統領が再選されると強く信じていたのでしょう。ニーヨ、そして多くのブラック・エンターティナーたちの熱い応援にみごとオバマが当選、第二期目を務めることになりました。

2005年にデビューして以来、アルバム3枚連続プラチナに輝き、シングルも5枚ともプラチナを獲得するという快挙を遂げました。また、作詞家としても引く手あまた、ビヨンセ、ジェイZ、リアーナ、メアリーJ.ブライジ、ジェニファー・ハドソンなど多くのアーティストに曲を提供してきました。音楽業界だけでは飽き足らず、ジョージ・ルーカス監督のタスケジー・エアマンの物語「レッド・ティルズ」をはじめとする4作の映画に出演、映画界でも成功を収めています。

質問1:  新しいCDのタイトル、Realizing Every Dreamを意味する「R.E.D.」とした理由を教えて下さい。いったいどんな夢を実現したのでしょうか。

Ne-Yo:  みなさんが知らないような夢を実現してるんですよ。たとえば、グラミー賞を3回受賞したり、世界中を回って、そのおかげで自分も家族も生活ができているんです。これまですごい人たちと一緒に仕事をしてきました。ぼくが9歳の時に音楽で身を立てようと思い立ってそれ以来次から次へと夢を実現させました。だからこのアルバムを‘夢を全部実現させる’という名前にしたんです。これまでさまざまな夢を叶えてきましたけど、まだまだやりたいことはたくさんありますね。グラミーを3つもらいましたけど、スティーヴィー・ワンダーなんか2桁台ですよ、ぼくなんかまだまだです。ぼくのアルバムはプラチナになるほど売れていますが、ぼくよりもっと売っているアーティストがいますから……。どんどん目標が高くなっていきますね。ぼくの音楽がきっかけでもっと他の人が夢を実現してくれるとすごく嬉しいですね。

質問2:  あなたの最初の3枚のアルバム、「In My Own Words」「Because of You」「Year of the Gentleman」はどれもナンバー・ワン、プラチナに輝きましたが、4枚目の「Libra Scale」はあまり人気がありませんでしたね。あなたはその苦い経験をどう受け止めていますか。

Ne-Yo:  勉強になりましたね。ぼくはいいことでも悪いことでもそこから何かを学ぼうと思っています。「Libra Scale」はぼくが書いた30分のサイファイ映画のサントラがコンセプトだったんです。それまで脚本なんで書いたことはなかったんですけど。あとで、脚本というのは1ページが1分なんだということを知りました。当初、所属レーベルのアイランド・デフジャムに146ページの脚本を持ち込みました。曲はその脚本にインスパイアされたものです。あまりに長すぎるからカットしろと言われて…….、それで削ったりしてそれがアルバムにも反映されてしまったんですね。出来上がったものはもともと意図していたものとは違ってしまった。とてもいい勉強になりました。

質問3:その苦い経験が今回の「R.E.D.」制作にどのように影響していますか。

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Ne-Yo: あまり考えすぎず、クウォリティーの高い音楽を作ることに専念しました。R&Bファン向けの曲、ポップ・ファン向けの曲いずれも充実させないといけないと思いました。「Year of the Gentleman」の”Closer”が好きでニーヨ・ファンになってくれた方も多いのですが、あのアルバム(「Libra Scale」?)の中で似たような曲がなくてがっがりした人も多かったと思います。その間違いを繰り返さないよう、R&B、ポップ、その両方とも好きな人たちを満足させられるような曲作りを心がけました。

質問4:「ジェントルマン」を心がけているあなたはご自分のウェブサイトのタイトルも Ne-Yo The Gentlemanとしていますね。アーバン・カルチャーはポップの世界ではそうでない方向にいっている人たちが多いなか、そういうスタイルを押し通しているのはどうしてですか。

Ne-Yo:    ぼくは人のいいなりになるのではなく自分から率先して動くリーダーを目指しています。流行を追うのは好きじゃないんです。流行は必ずいつかすたれるから、流行を追うことは常にタイム・リミットがあるということなんです。ぼくは時間を越えた長続きのすることをやりたいんです。ぼくにはポジティヴな姿勢を保ち続けるというアーティストとしての責任があります。それをぼくは真剣に受け止めています。子供たちから見られているんです。ぼくのようなスタイルを見てくれている子供たちがいると思うんです。

実際に、いろいろな企業がぼくに自社製品のキャラクターになってほしいとアプローチしてきているんですよ。ぼくが大衆にアピールするかららしいです。ぼくの音楽は、4歳児から14歳、さらに40歳くらいの年齢層にも受け入れられていると思います。ぼくは、自分の身なり、音楽、歌詞にとても気を遣っています。言葉もていねいに選んでいます。言葉の持つ力はとても大きいし重要なんです。ぼくがやることはすべてジェントルマンなんです。それがぼくという人間です。

質問5:あなたはモータウン・レコードの新人発掘および育成をするA&R部門のシニア・ヴァイス・プレジデントに任命されたそうですね。受諾した際、「とても光栄ですが、すごく怖いです。」とコメントしていましたが、この新しい任務はあなたにとってどういった意味を持っていますか。

Ne-Yo:  光栄というのはもちろん、モータウンはただのレコード・レーベル以上の存在だからです。モータウンはとても輝かしい歴史を持っています。以前、スモーキー・ロビンソンが同じポジションを努めたので、ぼくもまた彼と同様な道を歩むことになると思います。ですが、せっかくのモータウンなのに、そのエネルギーが間違った方向に向いてしまっているように思います。イメージ作りやマーケティングばかりにとらわれて肝心の音楽に力を入れていないと思います。だからレーベルが今伸び悩んでいるのです。

モータウンは、イメージやマーケティング同様、常に質の高い音楽を提供してきました。ベリー・ゴーディー(モータウン・レコードの創始者)に会って話したとき、この任務を受けるにあたってぼくの抱いている恐怖を説明しました。所属アーティストたちのキャリアを左右する重要な責任を負うだなんて、やっぱり怖いですよ。彼の家に行ったとき、テンプテーションズの「マイ・ガール(1964)」のクウォリティー・コントロール・ミーティングのビデオ・テープを見せてくれたんです。ミーティングに参加している人全員にこう質問するんです、「もし1ドルしか持っていないとしたらこのマイ・ガールを買うか、それともサンドイッチを買うか?」多数決で、半数以上がサンドイッチを買うほうに賛成したらその曲はリリースせずにお蔵入りにする、というルールです。 (次ページへ)

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